加害者なぜ逮捕されない?被疑者不起訴の理由は?スマイリーキクチ誹謗中傷事件【仰天ニュース】

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9月3日(火)21:00放送の「ザ!世界仰天ニュース」では、「SNSの闇スペシャル」として、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人であるという根拠のないデマにより、長期間にわたり誹謗中傷を受けた、スマイリーキクチさんの事件が取り上げられます。

この事件は1999年頃から始まり、約10年間も続いたネット上の誹謗中傷の象徴的なケースです。

キクチさんは、自分に向けられた中傷や脅迫に立ち向かい、検察への告訴や民事訴訟を通じて正義を求めましたが、その過程で一部の被疑者が不起訴処分となりました

なぜこのような判断が下されたのでしょうか?背景と理由をわかりやすくお伝えします。

事件の背景: なぜネットでの中傷が広がったのか

スマイリーキクチさんは、長年にわたりインターネット上で「殺人犯」という根拠のないデマに苦しめられてきました。中傷の書き込みは、一部の悪意あるユーザーのいたずらを超え、多くの人々がその噂を信じて拡散したことで、被害が広がりました。

2008年9月から2009年1月にかけて、警察は中傷に関与した1200〜1300人以上の身元を特定し、その中でも特に書き込みの内容や回数が刑法に抵触すると判断された19人を検挙しました。被疑者は北海道から大分県まで日本全国に広がり、警察は各地に出向いて摘発を行いました。

被疑者たちの年齢層は17歳から47歳まで幅広く、職業も大手企業の社員や派遣社員、左官業、コンピュータプログラマー、国立大学職員など多岐にわたっていました。

取り調べを進めた結果、彼らが特別な背景を持つわけではなく、普通の人々であったことがわかりました。キクチさんも、警察から見せられた被疑者たちの顔写真を見て「どこにでもいる普通の人」という印象を持ったそうです。

警察への相談と捜査の進展

デマが書き込まれてから9年後、キクチさんはネット犯罪に詳しい刑事と出会うことができました

これまで、警視庁ハイテク犯罪対策捜査センターや中野警察署生活安全課に相談しましたが、当時はネットに詳しい警察官が少なく、「ネットの噂は誰も信じない」という対応をされ、真剣に取り合ってもらえなかった経験がありました。

そんな中、ファンから「ネットの誹謗中傷を刑事事件化したいなら、生活安全課ではなく刑事課に行き、刑事告訴したいと伝えるべきだ」とアドバイスを受けたことが転機となりました。そこで、中野署の刑事課に相談した結果、組織犯罪対策課の男性刑事(当時警部補)がキクチさんの相談に乗ってくれることになりました。

この刑事は若い頃にコンクリート詰め殺人事件を捜査していた経験があり、ネットでの中傷被害についても理解を示してくれました。担当刑事は、ネット上でデマを流していた人物を特定し、キクチさんが殺人事件に一切関与していないことを証明するまで徹底的に捜査を進めてくれました。

ライリー
ライリー

組織犯罪対策課のこの刑事さんとの出会いが事件解決への流れを大きく変えたんだね

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なぜ加害者(被疑者)は不起訴になったのか?

起訴の負担が大きかった

事件に関与した被疑者の数が多く、全員を起訴するには実務的に大きな負担がかかるため、一部の被疑者は起訴猶予となりました。また、全国に散らばる被疑者たち全員を追及するのは、現実的に難しい状況でした。

証拠が不十分だった

名誉棄損や脅迫の証拠が十分でなかったため、検察は起訴に踏み切ることができなかったのです。

一部の被疑者は取り調べで証拠を突きつけられても罪を認めず、他人に責任を押し付けようとするケースもありました。このような状況では、裁判での立証が困難でした。

検察の認識の不足

キクチさんが2009年11月に東京地方検察庁(東京地検)に問い合わせた際、担当検事は「全員を不起訴処分にする予定」と説明しました。その理由は「加害者全員が反省し、キクチさんに謝罪したため」とされましたが、実際には加害者からの謝罪は行われていませんでした。検察のこの誤解が、不起訴処分の一因となった可能性があります。

加害者からキクチさんや彼の事務所に直接謝罪が行われることはなく、キクチさんは「口先だけの謝罪だったのではないか」と感じています。

また、検事がインターネット上での個人情報流出や事件の深刻さについて十分に理解していないことも問題でした。キクチさんが提示した証拠に対しても、曖昧な返答を繰り返す場面があり、事件の実態を把握していない様子が見受けられました。

こうした認識不足が結果として不起訴処分に影響を与えたと考えられます。

キクチさんの決断

スマイリーキクチさんは検察の不起訴処分に不満を抱きつつも、最終的にはその決定を受け入れました。

警察や検察とのやり取りに疲れたこと、一部の被疑者が「嫌疑なし」とされなかったため、「犯行が一応検察でも認められた」と解釈したのです。

キクチさんは、自分の無実を証明するためにできる限りの努力をしたと感じ、最終的にはこの結果を受け入れることにしたのでした。

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実際にあったネット・SNSの誹謗中傷の事例

ここからは、実際に起きた誹謗中傷事例をいくつか紹介いたします。

事例1:川崎希さんのケース

元AKB48グループのメンバーで、タレントやアパレル会社の社長としても活躍中の川崎希さんは、2020年に自身に対する誹謗中傷を書き込んでいた女性2人が書類送検されたとブログで報告しました。

川崎さんは、数年前から匿名掲示板「ママスタジアム」で自身や家族に対する悪質な嫌がらせを受けていました。妊娠発表後には「嘘つくな」「流産しろ」といった心無い書き込みが毎日のように届いていたそうです。また、「海外にいる間は放火するチャンス」と書き込まれるなど、日々恐怖を感じていたことも報告していました。

ネット上での誹謗中傷が度を超えるものばかりだったため、川崎さんは弁護士に相談し、住所と名前を特定したうえで警察署に告訴しました。その後、警察が女性2人を捜査し、侮辱罪で書類送検されました。

事例2:木村花さんのケース

人気テレビ番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さんは、SNS上での誹謗中傷により2020年5月23日に自死されました。

木村さんの死後、東京地裁はSNSで「あんたの死でみんな幸せになったよ、ありがとう」「お前の番組のせいで番組は中止。最後まで迷惑かけて何様?地獄に落ちなよ」などと誹謗中傷をした長野県の男性に約129万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

木村さんは番組内で、試合用のコスチュームを自分の衣類と一緒に洗ってしまった別の出演者に怒ったシーンが話題になりました。あくまでテレビショーですが、番組内での過剰演出もあってか、SNS上では「二度とテレビに出ないでください」「早く消えてくれよ」などの心無い言葉が毎日100件以上も届いていました。

事例3: 堀ちえみさんのケース

2020年から2021年にかけて、タレントの堀ちえみさんがネット上で誹謗中傷の被害を受ける事件がありました。

堀さんは2019年に舌がんの手術を受けていました。その堀さんのブログのコメント欄に「不細工ですね」「永遠の眠りについてください」など、159回にわたり誹謗中傷の投稿をした奈良市に住む無職の女性が東京都迷惑防止条例違反の疑いで書類送検されました。

書類送検された女性は、「もともと嫌いだった。中傷の書き込みを見て、がんが再発して死ねばいいのにと思った」と容疑を認めました。

事例4:「くら寿司」の虚偽投稿

2016年3月14日、「くら寿司」の商品に異物が混入していたと虚偽の内容をFacebookに投稿したとして、香川県警は高松市の無職の男を名誉毀損の疑いで逮捕しました。

問題の投稿では、高松上天神店で食べたオニオンサーモンに赤いガラス片が混入しており、「口の中が切れた」と報告したとされています。これを受けて、家族がFacebookに投稿しました。

しかし、くら寿司では同日、異物混入の申し出を確認した結果、厨房内で赤色のガラス製の備品は使用しておらず、客席で使用している赤いプラスチック製の醤油さしにも破損は見られなかったと報告しました。また、警察の調査でも異物混入の疑いは否定され、翌日には高松市保健所も店内を立ち入り調査し、同様の見解を示しています。

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誹謗中傷と批判の違い

それでは、ここで誹謗中傷と批判の違いについて見ていきましょう。この二つは表現や意見の方法において大きく異なります。

誹謗中傷とは?

誹謗中傷とは、相手の人格や外見を攻撃し、根拠のない嘘やデマを広める行為です。たとえば、「あの人はバカだ」「無能だ」といった人格を否定する表現や、「あの人は犯罪者だ」といった根拠のない発言がこれに該当します。

批判とは?

一方で、批判とは、相手の行動や意見に対して、客観的な視点から問題点や改善点を指摘することを指します。たとえば、「その行動は間違っている」「もっとこうすべきだ」といった具体的な理由や根拠を持った意見がこれに当たります。

違いのまとめ

誹謗中傷は相手を傷つける行為であり、法律的にも問題となる可能性が高い一方、批判は建設的な意見交換の一部として重要です。

  • 誹謗中傷
    人格や外見を攻撃し、根拠のない悪口やデマを広める行為。
  • 批判
    行動や意見に対して、具体的な理由や根拠を持って問題点や改善点を指摘する行為。
ライリー
ライリー

誹謗中傷って本当に悪質だよね・・・

モーリー
モーリー

相手を傷つけるだけじゃなく、法律的にも問題になるのね

ライリー
ライリー

批判はただの悪口じゃなくて、相手をより良くするためのフィードバックだよね!

モーリー
モーリー

うまく使えばお互いにプラスになるわ

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まとめ

加害者はなぜ逮捕されなかったのか?被疑者不起訴の理由

起訴の負担が大きかった

  • 事件に関与した被疑者の数が多く、全員を起訴するには実務的な負担が大きかった。
  • 全国に散らばる被疑者全員を追及するのは現実的に困難だった。


証拠が不十分だった

  • 名誉棄損や脅迫の証拠が不十分で、検察は起訴に踏み切れなかった。
  • 一部の被疑者が証拠を突きつけられても罪を認めず、他人に責任を押し付けるケースがあり、裁判での立証が難しかった。

検察の認識不足

  • キクチさんが2009年11月に東京地方検察庁に問い合わせた際、担当検事は「全員を不起訴処分にする予定」と説明。しかし、実際には加害者からの謝罪はなかった。
  • 検察の誤解やインターネット上での個人情報流出や事件の深刻さについての理解不足が、不起訴処分に影響を与えた可能性があった。

今回は、「ザ!世界仰天ニュース」で放送される、スマイリーキクチさんのSNS上での誹謗中傷事件について、実際にあったネット・SNSの誹謗中傷の事例を交えながらお伝えしました。

当日の放送と併せてお楽しみいただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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