Netflix「極悪女王」でジャッキー佐藤役を演じた鴨志田媛夢(かもしだ ひとみ)さんが「カッコ良すぎる!」と話題沸騰中ですね。
鴨志田媛夢「おやすみ。良い夢見てね」。カッコいいです!(出典:hitomikamoshida Instagram)
174cmのスラリとしたモデル体型に加え、ジャパンビューティな美貌を持つ彼女は、「まるで宝塚の男役のよう」「オーラがすごすぎて惚れちゃう」「凄くカッコいい!」と視聴者の心を掴んでいます
鴨志田媛夢さんのインスタには「鴨志田媛夢さんに一目惚れしました」とのコメントも(出典:hitomikamoshida Instagram)
鴨志田媛夢さんはジャッキー佐藤を演じたことについて、「空前絶後の大スターで、日本中の憧れの人。そしてとても優しい人。そんな素敵な方を演じさせていただきました」と語っています。
また、作品に対しても「極悪女王は大切な、大好きな作品です!」と述べ、ジャッキー佐藤さんと極悪女王への深い愛情が溢れています。
ジャッキー佐藤さん(出典:aucview.aucfan)
ここでは、そんな鴨志田媛夢さんも憧れたジャッキー佐藤さんの引退理由や引退試合について取り上げます。
ミスター女子プロレス・神取忍さんとの因縁や確執の噂についても深掘りし、何がジャッキー佐藤さんを引退に追い込んだのか、その理由や真相に迫ります。
ジャッキー佐藤は2回引退していた!
ジャッキー佐藤さんは、実は一度引退した後に現役復帰を果たして、その後、2回目の引退をしています。ここで、彼女の経歴を簡潔に整理してみましょう。
「ジャッキー佐藤」名義で発売したソロのシングルレコード「美しい決意」(出典:YouTube)
- デビュー戦
1975年4月27日、マキ上田と対戦し、15分の引き分け。
- ビューティ・ペアの結成
1976年にマキ上田とともに「ビューティ・ペア」を結成。デビュー曲「かけめぐる青春」は大ヒットし、80万枚を売り上げました。
- タイトル喪失
1981年2月25日、ジャガー横田(当時:横田利美)に敗北。
- 引退式
1981年5月21日、静岡県で志生野温夫の司会のもと引退式を行い、エキシビションマッチではマミ熊野と対戦。
- 引退後の活動
引退後、スポーツジムやブティックの経営に携わり、レオプロダクションにも所属。
- 新団体参加
1986年、新団体「ジャパン女子プロレス」の設立に勧誘され、参加。同年8月17日、後楽園ホールで旗揚げ戦が開催されました。
- 現役復帰
同日、神取忍(当時:神取しのぶ)との試合で復帰。
- 団体内トラブル
金銭問題や怪我の保障問題を巡って、神取忍との確執が表面化。
- 壮絶な試合
1987年7月18日、神奈川県大和市で神取忍とのシングルマッチが行われ、セメントマッチとなり敗北。
- 最終引退
1988年3月20日、沖縄県での試合を最後に再び引退。
プロレスの枠を逸脱した危険な「真剣勝」のことを指します。また、「シュートマッチ」「喧嘩マッチ」と呼ばれることもあります。
ジャッキー佐藤と神取忍の確執について
ジャッキー佐藤さんを2度目の引退に追い込んだ人物、それが神取忍(当時:神取しのぶ)です。ここからは、二人の確執について詳しく見ていきましょう。
「ジャパン女子プロレス」の設立
1981年5月21日に一度引退したジャッキー佐藤さんは、5年の長いブランクを経て、1986年8月17日に「ジャパン女子プロレス」で復帰しました。
同日、後楽園ホールで開催された旗揚げ戦で、ジャッキー佐藤さんは女子柔道界からプロレスに転身した神取しのぶ(現・神取忍)と対戦しました。
神取しのぶをフォールし、1986年8月17日の旗揚げ戦はジャッキー佐藤の勝利。それから1年後、この2人が伝説的なケンカマッチで再び戦うとは(画像:週刊プロレス)
試合は派手な技こそありませんでしたが、両者の関節技を駆使した緊張感あふれる攻防が繰り広げられました。
ジャッキー佐藤のバックドロップからのエビ固めでフォール勝ち(出典:TOKYO DOME CITY)
試合の終盤、ジャッキー佐藤さんは神取しのぶの後方回転エビ固めを返し、強烈なバックドロップを決めた後、片エビ固めでフォールを奪い、勝利を収めました。
この1986年8月17日の後楽園ホールでの試合が、神取忍のデビュー戦なんだよね
デビュー戦がジャッキー佐藤戦なんて!
ジャッキー佐藤、2度目の引退を決定づけた相手は神取忍?
壮絶なケンカマッチ
神取しのぶがデビューしたジャパン女子プロレスの旗揚げ試合から約1年後の1987年7月18日、神奈川県の大和車体工業体育館でジャパン女子プロレスの試合が行われました。
この試合は、ジャッキー佐藤と神取しのぶ(現・神取忍)の間で行われた伝説的なケンカマッチとして、今でも語り継がれています。
ジャッキー佐藤にパンチを放つ神取しのぶ(画像:週刊プロレス)
試合はあまりに激しく、プロレス史上屈指の壮絶な対戦のひとつとして知られています。
試合前の緊張
試合を前に神取は、「やられたからやり返す。仕掛けてきたのは向こうだから」と、すでに戦闘モード。この言葉が表すように、試合は最初から張り詰めた緊張感に包まれていました。
壮絶なケンカマッチ。神取しのぶに叩きのめされるジャッキー佐藤(画像:週刊プロレス)
神取が言う「やられたからやり返す」というのは、12日前の1987年7月6日、葛西大会での出来事でした。神取は場外でジャッキー佐藤の不意打ちラリアットを食らい、右目付近を大きく腫らしてしまったのです。
ジャッキー佐藤の不意打ちラリアットの背景
実は、この葛西大会での一件は、ジャパン女子プロレス内での金銭トラブルが発端でした。
神取が団体とギャラに関して揉めていたことを耳にしたジャッキー佐藤は、「新人のくせに生意気だ」と感じ、神取忍への制裁として不意打ちラリアットに出たのです。これにより神取しのぶは右目周囲が腫れてしまいました。ベテランのジャッキーに対し、新人の神取忍は屈辱を味わされた結果となりました。
神取の復讐
そして迎えた1987年7月18日、大和車体工業体育館での試合は、神取忍にとっての復讐の場でした。
試合開始直後、神取忍は容赦なくジャッキー佐藤に攻撃を仕掛け、右のパンチから試合が動き始めました。神取忍のパンチは次々とジャッキー佐藤の顔面にヒットし、会場は異様なムードに包まれました。
顔面が無残にも腫れ上がり、神取しのぶに負けたジャッキー佐藤(画像:週刊プロレス)
最終的に、神取忍はジャッキーを腕固めでねじ伏せ、勝利を収めました。
ジャッキー佐藤は顔を大きく腫らしながらも笑顔を見せ、拍手を送りながらリングを降りていきました。しかし、観客はその光景に呆然とし、声を上げることすらできないほどの衝撃を受けていました。
心を折るための戦い
この試合について、神取忍は後にこう語っています。
「あの試合で考えていたのは、勝つことじゃない。相手の心を折ることだった。骨でも肉でもない、心を折ることだけを考えていたんだ。
苦痛と、見る自由を奪われることと、息ができない恐怖と、この三つがそろって、初めて、心が折れるのだ。」
神取しのぶからパンチを受け顔面が腫れ上がって変形したジャッキー佐藤(画像:週刊プロレス)
神取忍は試合中、腕の骨を折ろうと思えば折れたものの、あえてそれをしなかったと語っています。
神取忍は「プロである以上、致命的なケガを負わせるわけにはいかない」と語り、身体的なダメージではなく、精神的な打撃や恐怖心を与える「心を折る」ことを選んだのです。
2度目の引退へ
この神取忍との壮絶な一騎打ちを経て、ジャッキー佐藤はその後も試合を続けましたが、1988年3月20日、沖縄県での試合を最後に再び現役を引退することになります。
神取忍との対戦は、ジャッキー佐藤にとって2度目の引退を決定づけた一戦として、プロレスファンの記憶に深く刻まれています。
神取しのぶはこの時デビューして1年しか経っていなかったんだよね
最後の引退と別れ
ジャッキー佐藤さんは、1988年3月20日(昭和63年)に行われた試合を最後に現役を引退しました。そして、1999年(平成11年)8月9日午前8時41分、神奈川県川崎市の病院で胃がんにより41歳の若さで亡くなりました。
ジャッキー佐藤さんの訃報を受け、因縁の相手であった神取忍もお通夜に出席しました。
神取忍は「一度でいいからじっくり話し合って、分かり合いたかった。悔いしか残っていない。心からごめんなさいと言いたい」と涙ながらに語り、深い後悔の思いを抱いていたことを明かしています。
ジャッキー佐藤さんが亡くなって、もう25年も経つんだね
Netflix「極悪女王」を天国でみてくれてるといいわね
まとめ
ジャッキー佐藤の引退理由となった神取忍との確執・ケンカマッチとは?
ジャッキー佐藤さんが2度目の引退に至った背景には、神取忍との激しい確執と壮絶なケンカマッチが大きく関わっています。
一度目の引退後、1986年に新団体「ジャパン女子プロレス」で現役復帰を果たしたジャッキー佐藤さんは、1987年7月18日に神取忍とのシングルマッチを行いました。
この試合は「セメントマッチ」と呼ばれるほどの激闘で、結果的にジャッキー佐藤さんは敗北。この試合を機に、1988年3月20日の沖縄県での試合を最後に再び現役を引退しました。
ジャッキーvs神取戦を報じた「週刊ゴング」1987年8月7日号(出典:日本経済新聞社)
今回は、Netflixで配信中の「極悪女王」でジャッキー佐藤役を演じた鴨志田媛夢さんも憧れた、ジャッキー佐藤の引退理由や引退試合についてご紹介しました。
「極悪女王」の視聴と併せて、ジャッキー佐藤さんの波乱に満ちたプロレス人生や神取忍さんとの因縁を振り返って楽しんでいただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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