Netflixのドラマ「極悪女王」の最終話の「ダンプ松本vs長与千種の敗者髪切りデスマッチ」シーンがとても話題になっていますね!
「敗者髪切りデスマッチ」に向かう長与千種(唐田えりか)とライオネス飛鳥(剛力彩芽)(出典:cinematoday)
この壮絶な試合展開と試合後の衝撃的な髪切りシーンには、多くの視聴者の方がショックを受けたのではないでしょうか。
Netflix「ダンプ松本の影武者」影かほる(演:戸部沙也花)(出典:oricon)
またSNSでも
「ダンプ松本の演技力と長与千種の感情表現がすごかった」
「リアルすぎて見ていて辛かったけど、感動した」
といった賞賛と感動の声がたくさん上がっています!
実はこの「ダンプ松本vs長与千種の敗者髪切りデスマッチ」、実話では「ダンプ松本の影武者の存在」がありました。
実際の試合では、竹刀を振りかざしながら迫力満点で登場したダンプ松本は、実は影武者だったのです!
左:ダンプ松本の影武者・影かほる。
右:本物の「ダンプ松本」が正体を現す瞬間。ダンプの後ろで、コスチュームを脱ぐのを手伝っているのがブル中野(出典:YouTube)
ここでは、その「ダンプ松本の影武者」とは一体誰だったのか?その正体について詳しく解説していきます!
ダンプ松本の影武者は影かほる!
ダンプ松本の影武者は影かほるさんです!
影かほるさんは、元女子プロレスラーの吉葉礼子さんを母に持ち、日本で初めて親子2代でレスラーとなった選手です。1985年にはダンプ松本の影武者としてリングデビューを果たしました。
一時は覆面を被り「ダイナマイト・キング」を名乗っていましたが1988年に引退されました。
ダンプ松本の影武者としての影かほるの入場。本当にダンプ松本にそっくりです!(出典:YouTube)
ダンプ松本の影武者:影かほるのプロフィール
プロレスラー現役時代の影かほるさん(出典:YouTube)
本名 | 田口 かほる |
生年月日 | 1963年5月23日 |
年齢 | 61歳(2024年10月現在) |
出身地 | 東京都目黒区 |
身長 | 160cm |
デビュー | 1985年8月28日 |
引退 | 1988年12月 |
ちなみにダンプ松本さんは
1960年11月11日生まれ63歳。身長164cm。
2人は年齢も身長も似てるわね
影かほるさんは日本の元女子プロレスラーで、実は日本初の親子2代レスラーとして知られています。
かほるさんの母親は元女子プロレスラーの吉葉礼子さんで、吉葉礼子さんは全日本女子プロレスの創業者である松永高司の実の妹です。
ということは、影かほるさんは松永兄弟の姪っ子ってことだね!
影かほるさんは1985年にデビューし、ダンプ松本の影武者としてリングに立ちました。
その後、覆面レスラー「ダイナマイト・キング」としても活動しましたが、1988年に引退。引退後は女性リングアナウンサーやレフェリーも務めました。
影かほるデビューは「敗者髪切りデスマッチ」
今、Netflixで話題沸騰中の「極悪女王」。その最終話では、伝説の「ダンプ松本vs長与千種」の敗者髪切りデスマッチが描かれていますが、実は現実の世界では、この試合が影かほるさんのデビュー戦だったのです!
1985年8月28日大阪城ホールの「敗者髪切りデスマッチ」
黒いジャンパーとサングラス、手には竹刀で入場した影武者・影かほるさん、まるでダンプ本人そのものです。
左:影かほる
右:長与千種(出典:スポニチ)
試合が行われたのは、1985年8月28日の大阪城ホール。なんと1万1000人もの観客が詰めかける超満員の中、影かほるさんはダンプ松本おなじみの黒いサングラスと黒いジャンパーを身にまとい、竹刀を振り回し、まるでダンプ本人のようにリングに登場します。
「本物」ダンプ松本が覆面を脱ぎ捨てる瞬間(出典:YouTube)
そして、試合開始直後、リング上に謎の覆面レスラーが登場。覆面を脱いだその謎のレスラーこそが実は本物のダンプ松本。
その瞬間に実況アナウンサー志生野さんも「これは驚きました。私は覆面のマネージャーかと思っていました!」と驚愕。
まさに予想を超えた展開に長与千種側のベビーフェイス、観客、解説者、さらにはテレビの視聴者までもが一瞬状況がつかめず混乱します。
覆面を外すや否や、武器のチェーンを長与千種の頭へ叩きつけるダンプ松本(出典:YouTube)
つまり実際は、入場シーンでの「ダンプ松本」は偽物で、影かほるさんがダンプ役を演じていたのですね。解説者も、そのそっくりぶりに「えっ、まさかの影武者!?」と驚きを隠せない様子でした。
ブル中野を従えて堂々と入場する姿は、まさに本物と見紛うほどでした。影武者・影かほるの登場によって、観客は一瞬混乱し、そして本物のダンプ松本が現れた時には驚きの歓声が巻き起きたのでした。
観る者全員が騙された瞬間だったね。ダンプ松本の影武者を務めるにあたって、影かほるさんは竹刀の振り方をちょっと習っただけだったらしいよ!
ほとんど、ぶっつけ本番ね!
ダンプ松本さんも「あれができるのは、かほちゃんだけ」と大絶賛したんだって
影かほるさんの名前の読み方は「かおる」が正しいようです(「kahoru」ではなく「kaoru」)。
インターネット上では「かほる・kahoru」と表記されることもありますが、影かほるさんが現在経営しているお店の看板には「かおちゃん」と書かれていますので、正しくは「かおる」ということですね。
影かほるさんが経営する飲食店「かおちゃん家deめしくぃ亭」の看板。2007年から東急武蔵小山駅近くで開業し、彼女自身が店舗の運営や料理を手掛けています。(出典:YouTube)
影かほるは松永兄弟の一族!
そしてなんと、影かほるさんは、松永兄弟の一族の一人なのです!
彼女の母親は元女子プロレスラーの吉葉礼子で、全女の松永7兄弟(男5人、女2人)の長女です。つまり、影かほるさんは親子2代レスラーということですね。
親子2代レスラーというのは日本初なんだって!
つまり、影かほるさんは全女・松永兄弟とは伯父(叔父)と姪の関係になるのですね。
名前 | 役職 (劇中) | 亡くなった日付・没年齢 |
長男 松永ひさし | 経営にノータッチ | 不明 |
次男 松永健司 | 登場なし | 2020年2月6日(享年84歳) |
三男 松永高司 | 社長 | 2009年7月11日(享年73歳) |
長女 吉葉礼子 | *娘が影かほる | 2008年9月18日(享年70歳) |
次女 山口洋子 | 登場なし | 1989年10月(享年50歳) |
四男 松永国松 | 副社長 | 2005年8月17日(享年63歳) |
五男 松永俊国 | 専務 | 2002年9月2日(享年57歳) |
母の吉葉礼子さんについて
吉葉礼子のプロフィール
- 1955年:兄たちから柔道を習い、全日本女子プロレス協会(「全女」とは異なる)に入門。リングネームは当時の人気横綱であった吉葉山が由来。
- 1956年1月:日大講堂で全日本バンタム級王者の立花蓉子に挑戦し、ドロー。
- 1960年:一度引退し、マネージャーとして巡業を回る。
- 1968年:兄の松永高司(三男)が全日本女子プロレスを旗揚げすると、短期間ながら選手復帰を果たす。引退後は全女でマネージャーとして全盛期を支えました。
- 退社後:結婚して1男2女をもうけます。長女は影かほるとして母と同じ道を歩みました。
- 2008年9月18日:肺がんにより死去(享年70歳)。
お母さんの吉葉礼子さんは、松永兄弟が全女を設立する前からプロレスラーとして活躍していたんだよ
つまり、松永兄弟が全女を設立するきっかけは、吉葉礼子さんの存在だったのね
吉葉礼子プロレスのきっかけと夫との出会い
実は、吉葉礼子さんは「新聞の求人広告」を見て、ストリップ劇場の前座としてプロレスを始めました。リングなどプロレスの試合に必要な設備の用意はなく、劇場の床にマットを敷いて、ストリップのような要素でショーを行っていたそうです。
また、影かほるさんのお父さんは、伯父(松永高司社長)の同級生。高司社長の家に遊びに行ったときに、妹の吉葉礼子さんに一目ぼれしたそうです。
影かほるのプロレスへの道
右:影かほる
左:アジャコング(本名の宍戸 江利花)
(出典:Cult of Bull Nakano X)
夢のプロレスラーへの道
影かほるさんは幼少期からプロレスの世界で育ち、小学校の卒業アルバムには「将来の夢はプロレスラー」と書いていました。夢というよりも、プロレスラーになることが「当然」のように信じていたのです。
プロレスはまさに「家業」であり、自然と自分もプロレスラーになれると思っていたのでしょう。そして1979年、中学3年生の卒業時(当時15歳)に、プロレス団体の入門オーディションを受けます。
しかし、驚くことに結果は不合格。そもそもこのオーディションは、伯父である松永高司社長(松永兄弟の三男)の勧めで受けたものだったのですが、それでも不合格となり、影かほるさん自身も驚いたそうです。
初めての挫折
松永社長は「プロレスの世界は身内だからといって簡単に入れるわけではない」と語り、影かほるさんはこれを「見せしめ」のようなものだったと振り返っています。
翌年もオーディションを受けることを決意。高校には進学せず、オーディション合格を目指して練習に打ち込むつもりでした。しかし、父親から「プロレスをやりたいなら高校に行け」と言われ、影かほるさんは事務所に一番近い「日出女子学園」に進学します。
高校が近くにあれば、学校が終わったらすぐにプロレスの練習に行けると思ったからです。
16歳での自立
ところが、影かほるさんの強い意志に反して、母親の吉葉礼子さんは娘にはプロレスラーになってほしくなかったようです。
結局、影かほるさんは高校1年の夏休みで高校を中退します。そもそも高校に進学した理由が「プロレスをやりたければ高校に行け」という父の言葉だったのに、プロレスができないなら高校に通う意味がないと思ったからです。
プロレスラーになることを反対する母親との摩擦により、退学と同時に家を出た影かほるさん。16歳でスーパーのレジ打ちの仕事をして生活費を稼ぎ、経済的に自立するようになりました。
その後、17歳の時には松永兄弟の五男、松永俊国さんが経営する「ラ・セーヌ」で働くことになります。
「ラ・セーヌ」は赤城マリ子さん(元女子プロレスラー。松永兄弟五男:松永俊国さんの妻)が経営していた飲食店です。
影かほるさんはプロレスラーとしてデビューする前にこの店で働いていました。
「ラ・セーヌ」で働いていた影かほるさんはまだ17歳というのが驚きだね
17歳ですでに水商売を始めてたってことよね
影かほるがダンプ松本の影武者になったきっかけ
本当にそっくり!ダンプ松本さんと影かほるさん(出典:ダンプ松本公式ブログ)
全女の夏休みを利用して、1985年8月11日から松永一族はサイパン旅行に出かけました。影かほるさんも松永ファミリーの一員として同行し、旅行にはダンプ松本さんも参加していました。
サイパンのチャランカノアビーチクラブのプールで影かほるさんとダンプ松本さんが遊んでいると、伯父の松永高司社長(松永兄弟の三男)がやって来て、「お前らそっくりで、どっちがどっちかわからないな。まるで双子みたいだ」と言ったことが、影武者のアイデアのヒントになりました。
サイパンのチャランカノアビーチクラブは、サイパンにある員制のホテルで全女が合宿で練習として使っていた施設です。慰安旅行の宿泊先としても利用されていました。
チャランカノアビーチクラブホテル(出典:4travel)
影かほるの引退の理由は?
1985年にダンプ松本の影武者として華々しくデビューした影かほるさんですが、プロレスラーとしての活動は意外にも短く、1988年に引退することになりました。その理由が非常に意外です。
松永兄弟の五男、松永俊国さんから「もうお前、明日から事務所な」と言われ、現役を辞めるよう告げられたといいます。
もっとも、かほるさん自身は辞めるつもりはなく、「辞めません」と返答したそうですが、松永俊国さんは「お前、これ以上やったら壊れるだろ」と指摘しました。
影かほるさんはその言葉を受け入れ、結局、マネージャー業に専念することになり、選手を支える立場でプロレスに関わることになりました。
松永俊国さんの「これ以上やったら壊れるだろ」の意味についてかほるさんは多くを語っていないから真相はわからないんだ。当時のかほるさんはいろいろと無理をして頑張っていたのかな。
俊国さんにとって、かほるさんは姪っ子だから、いろいろ気づくことがあったのかもしれないわね
五男:松永俊国は全女の「専務」だよね!
五男の松永俊国(演:斎藤工)(出典:oricon)
まとめ
今回は、Netflixの「極悪女王」の大ヒットにちなんで、ダンプ松本の影武者として活躍した影かほるさんについて取り上げました。
2022年5月、影かほるさんのお店「かおちゃん家deめしくぃ亭」にダンプ松本さんは影かほるさんの59歳の誕生日(5月23日)のお祝いで訪れました。(出典:ダンプ松本公式ブログ)
影かほるさんは母・吉葉礼子さんから受け継いだプロレスの血筋を持ち、全日本女子プロレスに深く関わる松永兄弟の親族として、1985年にダンプ松本の影武者という大役でデビューしました。
デビュー戦となった「敗者髪切りデスマッチ」は、女子プロレス史に残る伝説的な試合であり、彼女の短いプロレスラー生活においても特別な位置を占めています。
プロレスラーとしての引退後、影かほるさんはマネージャー、レフェリー、リングアナウンサーなど、プロレス界の裏方でも幅広く活躍しました。
左:ダンプ松本さん
右:影かほるさん
(出典:ダンプ松本公式ブログ)
影かほるさんは、プロレスに関するあらゆることを経験したと語っています。
プロレスラーとしてだけでなく、試合会場の設営、レフェリー、リングアナウンサー、マネージャー、さらには宣伝カーでの営業や売店、チケット販売まで、プロレス業界の裏方は全て経験した。
だから「明日からプロレス団体を作れ」と言われても、何でもできる自信がある。
そして現在、影かほるさんは「かおちゃん家deめしくぃ亭」を武蔵小山で経営し、仕入れから調理まで全てを自ら手掛けています。
さて、Netflixのドラマ「極悪女王」で影かほる役を演じているのは戸部沙也花さんですね。
Netflix「極悪女王」
「ダンプ松本の影武者」影かほる(演:戸部沙也花)(出典:oricon)
中央の濃緑色のドレスを着ているのが戸部沙也花さんです。高いヒールを履いていても、背は低めの女優さんですね。(出典:麗タレントプロモーションX)
Netflix『極悪女王』を楽しみながら、影かほるさんの魅力にもぜひ触れてみていただけたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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