10月21日(月)22:00のクレイジージャーニーでは、「幻の巨大なタコのような足を持つイカを追う!船上&海底での大捜索」が特集されます。
今回の見どころは、イカ・タコ類のスペシャリストである窪寺恒己さんと、水中ドローンの開発者・伊藤昌平さんが率いるドローン班、さらに餌を使ってイカを誘う釣り班の小塚拓矢さんが、それぞれの手法で捜索に挑む点です。
ターゲットは、イカでありながら8本の足を持つとされる「巨大イカ」。海上ではドローンを駆使し、海中では釣りを駆け、未知の生物、タコみたいな足のイカを追うスリリングな展開が期待されています。
ダイオウイカ博士・窪寺恒己さん(73歳)(出典:窪寺恒己Face Book)
本記事では、ダイオウイカ研究の第一人者として知られる生物学者・窪寺恒己博士について、年齢やプロフィール、経歴、学歴、そして現在の活動について詳しくご紹介します。
また、窪寺さんがどのような経緯で海洋生物学者になり、ダイオウイカ研究の権威と呼ばれるまでに至ったのか、その生い立ちやエピソードもお届けします。
窪寺恒己のプロフィール
窪寺恒己博士(出典:TOKYO FM)
氏名 | 窪寺 恒己 くぼでら つねみ |
職業 | 生物学者 |
役職 | 日本水中映像(Japan Underwater Films )非常勤学術顧問 |
生年月日 | 1951年8月4日(2024年10月現在73歳) |
出身地 | 東京都中野区 |
高校 | 都立新宿高等学校 |
大学 | 北海道大学 大学院水産学研究博士課程 単位取得の後、退学 |
窪寺恒己さんは現在73歳なんだね!
写真を見る限りダイオウイカ博士は品があって優しそうな印象よ
北海道大学 大学院水産学研究博士課程 単位取得の後「退学」とは?
窪寺恒己さんは北海道大学水産学部、大学院出身ということはわかりましたが、「博士課程単位取得の後、退学」と言う意味はどういうことなのでしょうか?
窪寺恒己さんは北海道大学大学院水産学研究科の博士課程に在籍していましたが、1981年に単位取得後に退学しています。
窪寺ダイオウイカ博士(出典:窪寺恒己Face Book)
この「単位取得退学」とは、博士課程の必要単位を取得したものの、博士論文の提出や審査を完了せずに退学することを指します。
1982年には「北太平洋亜寒帯海域における外洋性イカ類の生態学的研究」に基づいて水産学博士の学位を取得しています。
このように、単位取得後に博士号を取得することは珍しくなく、窪寺恒己さんもその一例です。窪寺さんは1982年に博士論文を提出し、審査を経て正式な博士号を取得しましたが、博士課程を修了したわけではない、という意味です。
こういう場合、履歴書には「単位取得退学」や「単位取得後退学」、「単位取得後満期退学」などと記載される
窪寺恒己の経歴
窪寺恒己博士(出典:窪寺恒己Face Book)
- 1982~1983年
米国オレゴン州立大学海洋学部で研究助手として勤務。
- 1984年
国立科学博物館動物研究部に入所し、研究官、主任研究官、室長、研究グループ長、コレクションディレクター(兼分子生物多様性研究資料センター長)を歴任。
- 2011年
国立科学博物館標本資料センターのコレクションディレクターと分子生物多様性研究資料センター長を兼任。
- 2016年
国立科学博物館を定年退職し、名誉館員・名誉研究員となる。
- 2017年
日本水中映像(Japan Underwater Films)の非常勤学術顧問に就任。
窪寺恒己の現在は?
現在、窪寺恒己博士は日本水中映像株式会社(Japan Underwater Films)の非常勤学術顧問として活動しています。
国立科学博物館では2016年に65歳で定年退職しましたが、名誉館員および名誉研究員の肩書きを保持しています。
日本水中映像(Japan Underwater Films)とは?
日本水中映像株式会社は、水中撮影や映像制作を専門とする企業です。東京都新宿区に本社を構え、テレビ番組や映画、CM、PVなど多様なメディアの水中撮影を手掛けています。
TV番組、映画、CMなどの水中撮影に携わっている日本水中映像(株)のFace Bookのカバー写真。さすがとても美しいです!
特にNHKの「ワイルドライフ」や「さわやか自然百景」といった自然ドキュメンタリー番組での水中撮影に豊富な経験を持ち、高い技術力で知られています。
窪寺恒己の業績
「ボンサイ」と「テンサイ」とフォロワーの方からネーミングされたユニークな窪寺恒己さんの写真(出典:窪寺恒己Face Book)
2004年
小笠原沖の深海でダイオウイカの生きた姿を世界で初めて撮影に成功。
この成果は2005年のNational Geographic News Stories Top 10の第一位に選ばれ、世界中の注目を集めました。
2006年
同じく小笠原沖で生きたダイオウイカを釣り上げ、その衝撃的な映像をニュースメディアに公開。これによりさらに大きな注目を浴びました。
生きて捕らえられたダイオウイカと窪寺恒己さん(出典:jiji.com)
2007年
『ニューズウィーク』誌の「世界が尊敬する100人の日本人」に選ばれ、その名声が国際的に広がります。
2008年
ニュージーランド国立博物館で南極海で捕獲された巨大イカ・コロッサル・スクイッド(ダイオウホオズキイカ)の標本作製に協力。この様子はDiscovery Channel(ディスカバリーチャンネル)を通じて広く発信されました。
ニュージーランド国立博物館にあるコロッサルスクイッド(ダイオウホウズキイカ)生態標本体長10メートル、重さ200キロ!(出典:jiji.com)
2012年
NHKとDiscovery Channel(ディスカバリーチャンネル)、国立科学博物館の共同プロジェクトでダイオウイカの生態映像の撮影に成功。
2013年
同プロジェクトによるダイオウイカの生態映像が「NHKスペシャル シリーズ 深海の巨大生物」として放送され、世界中を驚愕させました。この番組は菊池寛賞を受賞しています。
2014年
第7回海洋立国推進に関する特別な功績分野で内閣総理大臣賞を受賞。
窪寺恒己博士は2004年、小笠原沖の深海でダイオウイカの生きている姿を世界で初めて撮影し、世界中の注目を集めたんだよね
そう、そして2012年にはNHK・ディスカバリーチャンネルとの共同プロジェクトでダイオウイカの生態映像の撮影に成功し、ダイオウイカ博士として再び世界中を驚愕させたのよ
2013年放送「NHKスペシャル シリーズ 深海の巨大生物」とは?
伝説の怪物「ダイオウイカ」。最大記録は18mとされる世界最大のイカですが、深海で生きた姿を見た者は誰もいませんでした。
そのため、ダイオウイカは地球の海における最後のミステリーと呼ばれていました。この幻の巨大イカの撮影に、NHKと国際的な科学者チームが挑戦しました。
「NHKスペシャル シリーズ 深海の巨大生物」で放映されたダイオウイカ。体長約8メートル(出典:jiji.com)
舞台は小笠原諸島。最新鋭の潜水艇2隻を使用し、1000mの深海に潜航。約100回にわたるダイブの末、ついに撮影に成功しました。人類が初めて遭遇したその姿は、黄金に美しく輝いていたといいます。
このNHKスペシャル では、ダイオウイカがどのように動き、狩りをするのかを初めて明らかにする貴重な映像が公開され、多くの視聴者に感動を与えました。
また、このプロジェクトは国際共同制作で、ディスカバリーチャンネルとの連携により、より広い視聴者層に届けられました。
ダイオウイカとは?
ダイオウイカは、地球上で最大級の無脊椎動物であり、全長は最大18メートルに達し、体重は1トン以上になることもあります。
その巨大な目は直径約25センチメートルで、深海の暗闇でもわずかな光を捉える能力を持っています。ダイオウイカは、8本の腕と2本の長い触腕を持ち、これを使って魚や他のイカを捕らえます。
ダイオウイカと窪寺博士(出典:国立科学博物館)
このイカは、世界中の温帯から亜寒帯の深海に広く分布しており、水深200~1000メートルの範囲に生息しています。
活発な捕食者であり、触腕を使って獲物を捕まえ、口元に引き寄せて食べます。主な天敵はマッコウクジラで、時にはその胃の中からダイオウイカの残骸が見つかることもあります。
窪寺恒己さんがダイオウイカ博士になるまでの軌跡
窪寺恒己博士(出典:窪寺恒己Face Book)
子ども時代の生き物への関心
窪寺恒己博士は、東京・中野の新井薬師の近くで育ちました。
海とは無縁の環境でしたが、幼少期から生き物への興味を持ち、野原でバッタやコオロギ、カナヘビを捕まえたり、池で魚を釣ったりして遊んでいました。
この頃から捕まえた生き物の名前や種類を自分で調べ、小学校では生物クラブに所属するなど、着実に生物への関心を深めていきました。
高校時代の経験と夢の変遷
高校生の時、登山部での活動を通じて、自分の力で物事を成し遂げる大切さを学びました。この経験が、様々な場所を訪れて新しいものを見たいという強い気持ちを育てたと窪寺恒己さんは振り返ります。
最初は北杜夫さんの『どくとるマンボウ航海記』に影響されて航海士を志しましたが、近視が進行し夢を断念。その後、ジャック=イブ・クストーの映画を観て海の生物に興味を持ち始めたそうです。
大学院での研究
大学院進学後、指導教官から「生態系におけるイカ類の役割について考えてみなさい」というテーマを与えられ、これがイカ・タコ研究の出発点になったと言います。
後に、同じ分野の日本を代表する研究者との出会いもあり、研究を深めていきました。研究とは未知のことを明らかにする作業であり、その成功時の喜びは格別と語っています。
窪寺恒己がダイオウイカの第一人者と呼ばれる理由とは?
ダイオウイカ撮影の困難さ
窪寺恒己さんがダイオウイカの第一人者と称されるのは、やはり何と言っても、深海での生きたダイオウイカの撮影に成功したからです。
それ以前にも多くの研究者や海洋ジャーナリストが試みましたが、成功は非常に難しかったのです。深海の暗闇や高圧環境、さらにダイオウイカの神経質な性質といった技術的および生物学的な課題がありました。
窪寺恒己さんは、子供向けの図鑑「小学館の図鑑 NEO『水の生物』」の監修および著作にも携わっています。(出典:Amazon)
欧米の研究者たちの挑戦と失敗
欧米の研究者たちは、特殊なカメラや有人潜水艇を用いてダイオウイカの撮影を試みましたが、全てが失敗に終わっていました。
例えば、2004年に初めてスチール写真が撮影され、2006年には海面を浮遊する映像が撮影されましたが、深海での映像撮影は実現しませんでした。
深海の環境では、強い光を使うことができず、ダイオウイカが驚いて逃げてしまうため、特殊な赤い光を用いる必要がありました。
窪寺恒己の成功とその意義
2012年、NHKとディスカバリーチャンネルの共同プロジェクトにおいて、窪寺恒己博士らのチームがついに深海でのダイオウイカの映像撮影に成功しました。
この成功は、長年の試行錯誤を経て開発された特殊なカメラシステム「メドゥーサ」によるものであり、画期的な出来事として大きな注目を集めました。窪寺博士の成果は、海洋生物研究の新たな扉を開くことになったのです。
まとめ
窪寺恒己(73歳)さんは、日本の海洋生物学者として、特にダイオウイカの研究で国際的に名を馳せています。
2012年には世界初の生きたダイオウイカの深海での撮影に成功しました。彼の研究は、イカやタコの分類や生態に焦点を当て、特に深海生物の解明に尽力しています。
この成果は、2013年にNHKやディスカバリーチャンネルの特集番組でも取り上げられ、多くの人々に深海の神秘を伝えるきっかけとなりました。
「NHKスペシャル シリーズ 深海の巨大生物」(出典:NHK)
現在は国立科学博物館を定年退職し、名誉館員・名誉研究員としての地位を持ちながら、2017年からは日本水中映像(Japan Underwater Films )の非常勤学術顧問として活動を続けています。
窪寺恒己博士のプロフィールや経歴を知ることで、10月21日の「クレイジージャーニー」をさらに楽しんでいただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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