11月21日(木) 19:00放送「珍ゴシップ・ザ・ワールド」では、ニューヨークでセレブになりすまして24億円をだまし取ろうとした女詐欺師、アンナ・ソローキンの日本初取材が放送されます。
架空の資産家令嬢「アンナ・デルヴェイ」を名乗り、ニューヨークのアート界や社交界で暗躍したアンナ。巧みな話術と華やかな演出で人々を魅了し、2017年の逮捕まで数年にわたり詐欺を続けました。
2023年9月17日には、きらびやかな衣装で「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」に出演したアンナ・デルヴェイ(出典:toofab)
しかし、未だ自宅軟禁中の身のアンナの足首にはGPS機能付きの「監視用モニター」が(出典:toofab)
アンナ・ソローキンの生い立ちとプロフィール
現在のアンナ・ソローキン(33歳)(出典:toofab)
アンナ・ソローキンのプロフィール
本名 | アンナ・ソローキン (Anna Sorokin) |
別名(詐欺での偽名) | アンナ・デルヴェイ (Anna Delvey) |
生年月日 | 1991年1月23日生まれ |
年齢 | 33歳(2024年現在) |
出身 | ロシア |
アンナ・ソローキンの家族構成
アンナ・ソローキンは、1991年1月23日にロシア・モスクワの南に位置するドモデドヴォという労働者階級の町で生まれました。
刑期を終え保釈後のアンナ。ニューヨーク・イーストヴィレッジにある自宅アパートのベランダで(2022年11月)(出典:yahoo news)
彼女の父親はヴァディム・ソローキン(Vadim Sorokin)で、トラック運転手として働いていました。母親は小さなコンビニエンスストアを営んでいました。また、アンナには兄弟が1人います。家庭は比較的地味で、裕福ではない生活を送っていたとされています。
ドイツへの移住
2007年、アンナは16歳の時に家族と共にドイツへ移住し、ノルトライン=ヴェストファーレン州に定住しました。
11歳当時のアンナと父親のヴァディム・ソローキンさん(出典:dailymail)
父親は運送会社で働きましたが、2013年に倒産。その後は自営業を始めました。母親は主婦として家庭を支えていました。
アンナ・ソローキンの学生時代
アンナはカトリック系高校「ビショフリッヒェ・リーフラウエンシューレ・エシュヴァイラー」に通学しました。
同級生からは内向的で、ドイツ語の習得に苦労している印象を持たれていました。高校時代の彼女は比較的目立たず、目立った社会的活動や交友関係は少なかったようです。
アンナ・ソローキン(出典:Wikipedia)
ファッションへの憧れ
アンナは、成長するにつれてファッション業界に強い興味を抱くようになり、特にVogueやファッションブログ、さらにはLiveJournalやFlickrなどのイメージ系のSNSを熱心にフォローしていました。
これらのメディアを通じて、彼女は豪華なライフスタイルを憧れ、ファッション業界で成功することを夢見ていました。
ロンドンへ進学、そして中退
2011年、アンナはドイツの高校を卒業後、ファッション業界でのキャリアを目指してロンドンのセントラル・セント・マーティンズという名門アートスクールに進学します。
しかし、彼女のロンドンでの生活は長くは続かず、すぐに中退を決意。アンナはロンドンでの学びよりも、もっと早くファッション業界に足を踏み入れることを優先し、故郷であるドイツに戻ることになりました。
パリでの挑戦
その後、アンナは2012年にパリに移住し、フランスのファッション誌『Purple』のインターンとして働き始めました。この時の月収は約400ユーロ(約5万5000円)という、かなり厳しいものでした
アンナはその間、両親とはあまり連絡を取らず、生活費の一部は両親からの支援を受けていたと言われています。パリでの生活も厳しいものであったとされていますが、それでも彼女はファッション業界でのキャリアを夢見て、次々と挑戦を続けていました。
アンナ・ソローキンの彼氏
アンナ・ソローキンの元カレは、起業家のハンター・リー・ソイク(Hunter Lee Soik)であると報じられています。
ソイクは2014年から2016年にかけてアンナ・ソローキン(アンナ・デルヴェイ)と交際しており、彼女をニューヨークの社交界に紹介し、詐欺活動を行うための接点を提供したとされています。
アンナの元カレのハンター・リー・ソイクさん43歳。(出典:style)
ハンター・リー・ソイクは、1981年11月20日に韓国・ソウルで生まれ、アメリカ・ウィスコンシン州で育ちました。
元々は写真家やモデルとして活動しており、ジェイ・Zやカニエ・ウェストの「Watch the Throne」ツアーのクリエイティブコンサルタントを務めるなど、音楽業界やファッション業界で広く知られる存在です。
さらに、TEDトークで夢を記録するアプリ「Shadow」のアイデアを発表し、フューチャリストとして注目を集めました。
自身が開発したアプリ「Shadow」についてTEDトークでプレゼンするハンター・リー・ソイクさん(2014年)(出典:style)
2014年のアンナが豪華ヨットに横たわっているインスタ投稿にある「@hunterleesoik」。これが当時付き合っていた彼氏、ハンター・リー・ソイク(Hunter Lee Soik)を指しているよ。
どのようにして詐欺師になったのか
現在のアンナ・ソローキン。ニューヨーク・マンハッタンにある自宅アパートの屋上で。(出典:artnews)
詐欺師:アンナ・デルヴェイの誕生
アンナ・ソローキンはパリで過ごしていた頃、自身の名前を「アンナ・デルヴェイ」(Anna Delvey)と名乗るようになります。
この名前について、彼女は「母親の旧姓に由来する」と説明していますが、実際には両親はこの名前については知らない、と答えています。
・「デルヴェイ」という名前は西洋的で上流階級の響きを持つため、社交界やアート界での信頼を得やすくするために選ばれた可能性があります。
・一方、本名の「ソローキン」は一般的なロシアの典型的な響きを持つ姓であり、アンナが目指していた西洋の上流階級やアート界でのブランドにそぐわないと感じたと推測します。
・アンナは、偽名が母親の旧姓に由来すると説明していました。この設定により、彼女の話に一貫性を持たせ、「上流階級の家庭から来た」というストーリーをさらに強化しようとした可能性があります。
ニューヨークへの移住と社交界への進出
2013年の中頃、パリでの生活に行き詰まりを感じたアンナ・ソローキンは、新たなチャンスを求めてニューヨークに移住することを決意します。特に、毎年9月に開催される華やかな「ニューヨーク・ファッションウィーク」に魅力を感じ、この街で新しいスタートを切りたいと考えていました。
幸運にも、アンナはファッション誌・Purpleのニューヨークオフィスへの異動を果たし、短期間ながらもニューヨークの街で働き始めます。洗練された雰囲気と自由な空気に触れ、アンナはすぐにこの街に魅了されました。
しかし、次第にアンナはより大きな野望を抱くようになります。それが、後に世間を騒がせることになる「アンナ・デルヴェイ財団)」の構想でした。
ニューヨークという刺激的な環境の中で、アンナは大胆な計画を練り始め、その華やかな世界に深く足を踏み入れていったのです。
アンナ・デルヴェイの詐欺の手口
「アンナ・デルヴェイ・ファウンデーション」は、アンナ自ら計画した詐欺の要となるプロジェクトでした。
この構想の目標は、ニューヨークにプライベートメンバーズクラブ兼アートセンターを設立し、ニューヨークの社交界での地位を確立し、アート界でも名を馳せることでした。
アンナは、この財団を自分の足掛かりにして、上流社会に完全に溶け込むことを目指していました。
それでは次に、アンナがどのようにして人々を騙し、資金を集めたのか、その詐欺の手口を詳しく見ていきましょう。
インスタから読み取るアンナの野望
ここで、2015年5月9日にアンナ・デルヴェイのインスタグラムに投稿されたコメントに注目してみたいと思います。
2015年5月9日に投稿されたアンナのインスタ(出典:artnet)
*2015年5月9日投稿のインスタグラムコメント
「if i had enough money i ensure that the biggest production house of hollywood stars writing a damn script on you.」
これは、彼女の野望と自己認識を如実に表しています。
(出典:artnet)
このコメントは「もし十分なお金があったら、ハリウッドの一番大きな制作会社に、私のために脚本を書かせるわ」という意味であり、アンナが自身の人生を映画化する価値があるほど特別で重要だと考えていることを示唆しています。
つまり、アンナが名声と注目を強く求めており、自分が注目されるべき存在だという強い信念を持っているということがこのコメントから読み取れます。
また、コメント内に登場する「@Michael Xufu Huang」はマイケル・フー・フアン氏(黄勖夫、1994年生まれ。中国のアートコレクター)のことで、アンナがベネチア(Venice)に旅行するためにお金をだまし取った人物の一人であり、この名前もコメントとともに2024年8月11日に削除されています。
現在このコメントは削除されています(出典:Anna Delveyインスタグラム)
豪華な候補地と壮大な計画
アンナ・デルヴェイは「アンナ・デルヴェイ・ファウンデーション」候補地として、ニューヨークの有名な不動産「チャーチ・ミッション・ハウス」(45,000平方フィート=約4200平方メートル)を選びました。
彼女はこの施設を、多目的なイベント会場兼アートスタジオとして活用し、アートイベントの開催資金を調達するつもりでした。
しかし、この計画は完全に虚構であり、彼女が言うところの「信託基金」や「スポンサー」を裏付ける証拠は何一つ存在しませんでした。
それでも、彼女は巧妙に銀行や投資家から融資を引き出し、信じ込ませることに成功したのです。
アンナは実際には存在しない何億円もの信託基金を持っていると嘘をついたんだ
そうやって彼女は銀行や不動産業者、投資家達から巨額なお金を騙し取ることに成功したのね
騙された理由:偽の資産と金融書類
アンナ・デルヴェイは自分自身を「ロシアの大富豪の娘」や「アート界の新星」であると偽り、周囲に強い印象を与えました。
彼女は容姿や言動、仕草を巧みに使い、その役柄に完全になりきることで、周囲からの信頼を得ることに成功しました。
どうやらアンナには、人々を魅了する天性のカリスマ性があるようだ
アンナは「何億円もの信託基金」を持っていると嘘をつき、さらにそれを証明するために偽造した金融書類を使用しました。この虚偽の証明書によって、彼女は銀行や投資家から巨額の融資を引き出すことに成功しました。
本人は、大富豪の娘でアート界の新星に完全になり切っていたのね。嘘をついていという自覚があったのか疑問だわ。
贅沢な生活で信頼を得る
アンナ・デルヴェイは、高級ホテルやレストランを頻繁に利用し、贅沢な生活を演出しました。
彼女は本当には支払い能力がなかったにもかかわらず、豪華な食事を繰り返し、さらにチップを配ることで、裕福な女性というイメージを作り上げました。
例えば、ニューヨークの高級ホテル「11 Howard」に宿泊し、1泊400ドル(約5万円)の部屋を利用していたと言われているよ。
さらにアンナは、コンシェルジュなどホテルの従業員に100ドルのチップを渡していたらしいわ
出所後のアンナ。2023年頃(出典:toofab)
アート界とのつながりをアピール
さらに、アンナ・デルヴェイは、かつてファッション誌『Purple』で働いていたことを武器に、「ファッション誌やアート業界に携わっていた」と主張。
あたかも有名アーティストやギャラリーのオーナーと親しい関係にあるかのように振る舞いました。
彼女は自分の「知名度」を利用して、さらなる有力者に接近し、信頼を得ようとしました。
実際には、彼女が語ったような有名アーティストとの関係はすべて虚構であり、彼女が関わった人物や団体の多くは、便宜的に利用したに過ぎません。
しかし、表向きには信頼できる人物たちとされ、彼女はそれをうまく活用して周囲を説得していたのです。
その一方で、アンナは『ホーム・アローン』のマコーレー・カルキンやマーティン・シュクレリ(アメリカの有名な起業家)と実際に会っていたようだよ
「今だけの話」で次々と騙し続ける
アンナ・デルヴェイは常に「資金の問題はすぐに解決する」「近く大きなスポンサーが現れる」といったその場しのぎの言葉を巧みに使い周囲を納得させました。
彼女は「今すぐには結果が見えないが、近い将来には成功する」といった姿勢を崩さず、次々と新しい話を持ち出して信頼を裏切り続けました。
このようにして、アンナは他人のお金を使って贅沢な生活を送り続けることができたのです。
友人や知人に高額なプレゼントや食事を奢り、彼らの信頼を得る、というのもアンナの戦略の一つと言われているわ
・彼女は常に「成功した実業家」として振る舞い、上流階級やアート界の有力者たちに接触しては、「アートセンターの設立」という虚構の計画を持ちかけていました。
・アンナの魅力的な話術とカリスマ性は、彼女に近づく人々を引き寄せ、その結果、彼女は詐欺を重ねていくことができたのです。
このようにしてアンナは巧みな話術と社交的なスキルで、多くの裕福な人々を騙していったんだね
なぜ人々は信じてしまったのか?
アンナ・デルヴェイが信じられてしまった理由の一つには、「見かけによる錯覚」があります。
社会的なステータスや成功を演出するためには、まず第一に自信が必要であり、アンナはその自信を完璧に持ち合わせていました。
彼女は周囲に疑念を抱かせる隙を与えることなく、贅沢な生活を見せびらかすことで、周囲を引き寄せ、信じさせました。
2024年6月のアンナ。ニューヨークで、足首のGPS付き監視用モニターを堂々と見せて外出。(出典:salon.com)
さらに、当時のニューヨークのアート界や上流社会の人々は、成功や権威を視覚的に捉えがちでした。アンナのように注目を集める人物が現れると、周囲の人々はその背景や物語に合わせて信じてしまうことが多かったのです。
また、アンナ自身が持っていたカリスマ性や魅力も大きな要因です。魅力的な人物には、他人を引き寄せ、信じさせる力が備わっているため、彼女が提示する「未来の成功」や「投資家との関係」は、周囲にとって現実的なものとして映ったのでしょう。
彼らはアンナの主張を鵜呑みにして、彼女の背景や財産について十分な調査をしなかったらしいね
周囲の他の人たちがみんなアンナを信じ切っていると、自分一人だけが疑いを抱くのは意外と難しいのよね
詐欺はなぜ発覚したのか
アンナ・デルヴェイの詐欺が公に知られるようになった最初のきっかけは、彼女が友人であるジャーナリストとの間でトラブルを起こしたことです。
この友人、レイチェル・デローアシュ・ウィリアムズは、アンナを信じて投資や金銭的支援をしていた女性であり、レイチェルにとってこれは人生を揺るがす大事件でした。
アンナに6万ドル以上を騙し取られたレイチェル・デローシュ・ウィリアムさん(1988年1月29日生まれ 36歳)。(出典:Rachel DeLoache Williamsインスタグラム)
レイチェルの告発
アンナの言動に疑念を抱き始めたレイチェル。そのきっかけは、アンナが自分の費用を支払えない状況を目の当たりにしたことでした。「後で返す」と何度も約束されながらも、支払いが一向に行われない状況が続いたのです。
アンナは、レイチェルのクレジットカードを利用して高級ホテルやレストランでの食事、豪華な宿泊施設での滞在費を支払っていました。
さらに、アンナはレイチェルをモロッコ旅行に誘い、費用は自分が負担すると約束。しかし、実際には一切支払いをせず、結果的にレイチェルが高額な費用を負担する羽目になりました。
この旅行を通じて、レイチェルは最終的に約62,000ドル(約700万円)もの被害を被ったのです。
年収が6万ドルほどだったレイチェルにとって、精神的なショックも相当大きかったと思うよ
レイチェルが執筆した書籍『マイ・フレンド・アンナ:偽の相続女の真実』(My Friend Anna: The True Story of a Fake Heiress)2019年出版「。
アンナに騙された実話が書かれたレイチェルによるノンフィクション作品です。(出典:Amazon)
耐えきれなくなったレイチェルは、2018年に自身の体験を『ヴァニティ・フェア』に掲載し、アンナの素性を暴露しました。この告発記事が、アンナ・デルヴェイの詐欺行為が公に知られるきっかけとなったのです。
レイチェルが一番最初に「アンナは令嬢ではなく詐欺師!」だと気づいたんだね
実際、レイチェルの捜査ぶりは徹底していて、弁護士からは「捜査官になろうと考えたことはないですか?」なんて聞かれたほどなのよ!
レイチェルは、自身が執筆したノンフィクション書籍『マイ・フレンド・アンナ:偽の相続女の真実』の出版にあたって、契約金として30万ドルを得ています。
結果として、レイチェルさんは本の出版によって、アンナから騙し取られた62,000ドルを遥かに超えた大金を得たんだね。
警察の動きと逮捕
レイチェルの告発をきっかけに、警察はアンナ・デルヴェイによる大規模な詐欺事件の捜査に乗り出しました。
捜査の結果、アンナが偽造した資産証明書や銀行口座情報を利用し、数百万ドルにのぼる巨額の資金を詐取していたことが明らかになりました。
彼女は、金融機関、高級ホテル、そして個人的な関係にあった人物など、複数の被害者から不正に金銭を騙し取っていたのです。
元々は友人同士だった2人。
左:レイチェル
右:アンナ(出典:theartsdesk)
その後、2017年10月3日、ニューヨーク市警察はアンナ・ソローキンを逮捕しました。アンナは逮捕後、ニューヨーク市のライカーズ島に移送され、保釈金なしで拘留されました。
「保釈金なしで拘留」とはどういうこと?
通常は、一定額の保釈金を支払えば裁判を待つ間、釈放されるケースもあるんだけど、多額の詐欺容を働きなおかつ、逃亡の恐れがあると判断されたアンナは、裁判を受けるまで一切、釈放が認められなかったの。
・ライカーズ刑務所は、アメリカ映画やドラマでもよく登場する有名なニューヨーク・ライカーズ島にある刑務所ですが、実際にはかなり過酷な場所です。暴力事件が頻発し、受刑者同士の衝突が絶えません。
・精神的に不安定な人も多いのに、適切な治療が受けられず、環境は劣悪そのもの。
・過密状態や虐待も深刻な問題となっており、ニューヨーク市は閉鎖に向けた改革を進めていますが、進捗はなかなか進んでいないのが現状です。
裁判と有罪判決
こうして、2017年10月3日、アンナ・ソローキンは詐欺と窃盗の容疑で逮捕され、2019年5月9日、ニューヨークの裁判所で重窃盗罪、サービス窃盗罪、偽造文書作成などの罪で有罪判決を受けました。
ニューヨーク州最高裁判所で(2019年4月22日)(出典:businessinsider)
彼女は偽の証拠を使って融資を得、約220万ドル(約2億4000万円)を騙し取ったとされ、判決として、罰金2万4000ドル(約280万円)と、損害賠償約20万ドル(約2300万円)が命じられ、さらに4〜12年の懲役刑が言い渡されました。
判決の内容
- 刑期: 4年から12年の実刑判決
- 罰金: 2万4,000ドル(約280万円)
- 損害賠償: 約20万ドル(約2300万円)
刑期について
刑期は4年から12年と幅がありますが、実際にはアンナは2021年2月に仮釈放されました。これは、彼女の刑務所での模範的な行動などが評価されたためと考えられています。
2019年5月9日判決を受けるアンナ・ソローキン判決を受ける(出典:deseret news)
判決の翌日、アンナは『ニューヨーク・タイムズ』に次のように語りました。
「本当に申し訳ないことをしたと言ったとしたら、私はあなたに、皆さんに、そして私自身に嘘をつくことになるでしょう。
私はただ自分のやり方に後悔しているだけです」
アンナは深く反省しているというより、むしろ開き直っているようだね
そうね。実際、釈放後のアンナの生活は、このコメントを地で行くような派手さよ。それでは、次に釈放後の彼女の現在の暮らしぶりを詳しく見ていきましょう
仮釈放とその後
2021年2月に模範的な行動が認められ仮釈放されたアンナですが、その後、彼女がアメリカに適切なビザを保持していなかったことが判明し、アメリカでの滞在は違法とされました。
2021年10月には、移民税関捜査局(ICE)からドイツへの強制送還命令が下されました。
アンナ・デルヴェイの現在
刑務所から出所した後、アンナは再びニューヨークに戻り、現在はイーストヴィレッジのアパートに住んでいる(出典:YouTube)
保釈後の自由と新たな生活
ところが、ドイツへの強制送還命令が下されたものの、アンナは帰国する代わりにアメリカでの移民拘留を選びます。最終的に17か月間をオレンジカウンティのゴーシェンにある拘留施設で過ごしました。
アメリカにとどまる決断をした理由についてアンナはニューヨーク・タイムズに対し、
「浅はかで、富だけを追い求める人物という世間の認識に抗いたかった」
~Letting them deport me would have been like a sign of capitulation — confirmation of this perception of me as this shallow person who only cares about obscene wealth~(出典:The New York Times)
と述べています。つまり、この言葉からは、アンナが周囲の期待や世間の目を気にせず、自分の信念を貫こうとする強い意志を持っていることが読み取れます。
拘留施設から釈放、ニューヨーク・タイムズからインタビューを受けるアンナ(2022年10月)(出典:New York Times)
こうして、アンナは2022年10月に10,000ドルの保釈金を支払い厳格な条件下で解放されました。
その条件には、ソーシャルメディア投稿の禁止や24時間体制の自宅軟禁、逃走防止のためのGPS付き監視モニターの装着が含まれています。
アンナの足首に巻かれた、保釈条件として装着が義務付けられらた逃走防止のためのGPS付き監視モニター(出典:businessinsider)
拘留期間中、アンナは刑務所で制作したアート作品を販売し、その収益で保釈金を支払い、ニューヨークのイーストヴィレッジにあるクラシックなアパートの最上階である5階の一室を借り、新しい生活を始めました。
アンナ・ソローキンの自宅で。バックにある絵は、アンナが服役中に、刑務所で制作・販売した作品。(出典:artnews)
・刑務所内で描いたイラストなどのアート作品を複製して販売することで、アンナが手に入れたお金は約20万ドル(約2800万円)と言われています。
・アンナは、その資金を元に保釈金を支払い、イーストヴィレッジのアパートの家賃も3カ月分前払いしました。
刑務所で描いたアートで得たお金で、まるで自由を楽しんでいるかのように見えるよ。
アンナが刑務所内で描いた絵(出典:news.artnet)
かつて騙した人にお金を返しているのかしら?
現在、アンナ・ソローキンが詐欺で被害を受けたすべての人々に対して金銭的な返済をしたという確実な証拠や報道はありません。
アンナがアート作品やメディア活動から得た収益は、主に自己のプロモーションや生活費に充てられていると考えられています。
Netflixでドラマ化『令嬢アンナの真実』
アンナ・ソローキンを描いたNetflixドラマ『令嬢アンナの真実』(英題『Inventing Anna』)が、2022年2月に配信されました。
このドラマは、ションダ・ライムズが製作を手掛け、ジュリア・ガーナーがアンナ役を演じたことで話題に。配信初週に最も視聴されたNetflixの作品となり、その注目度は瞬く間に広まりました。
2022年2月配信、Netflixでドラマ化「令嬢アンナの真実」(出典:filmarks)
Netflixでドラマ化されたことで、アンナには32万ドル(約3500万円)の契約金が支払われたとも報じられています。
彼女の犯罪歴が逆に注目されて、金銭的にも成功しているなんて皮肉だわ。
ポッドキャスト出演パリス・ヒルトンとの対談
2022年5月31日、アンナ・ソローキンは、パリス・ヒルトンとニッキー・ロスチャイルドの姉妹がホストを務めるポッドキャスト『This is Paris』に出演しました。
パリス・ヒルトン(出典:Paris Hiltonインスタグラム)
この対談では、アンナが自身の過去の犯罪歴やその後の人生に対する考え方、そして未来に向けた計画を語りました。
ポッドキャスト『This is Paris』でパリス・ヒルトン&ニッキー・ヒルトンと対談したアンナ(出典:iHeartRadio)
セレブとの対談で注目されて、まるで新しい人生を歩んでいるみたいだな
驚くべき歌手デビュー
アンナ・ソローキン(アンナ・デルヴェイ)は、自宅軟禁中にシングル「What the Hell?」をリリースし、2023年7月に歌手デビューを果たしています。曲中には刑務所服役中に録音されたアンナの電話音声も収録されています。
アンナのデビューシングル「What the Hell?」(出典:YouTube)
さらに、彼女はこの曲を自らのポッドキャスト『The Anna Delvey Show』のテーマソングとして使用しています。
自宅でファッションショー
2023年9月、アンナはニューヨークのイースト・ヴィレッジにある自宅の屋上でファッションショーを主催しました。
デザイナー・シャオ・ヤンのデビューとなるこのイベントには約50人が参加。アンナは自宅軟禁という制約をものともせず、ファッション業界での存在感を再びアピールしました。
過去の詐欺師のイメージが、まるで今ではアートとファッションのアイコンに変わっているわ・・・
自宅軟禁中のアンナは足首にGPS付き監視モニターをつけたまま、自宅アパートの屋上でファッションショーを開催(出典:hellomagazine)
「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」に出演
2023年9月17日、アンナ・デルヴェイはテレビシリーズ『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』のプレミア上映に出演しました。
有名人とプロのダンサーがペアを組み、ダンスコンテストに挑戦する人気番組。ここでアンナはプロダンサーのエズラ・ソサと一緒にボールルームダンスを披露しました。
アンナの足首のGPS付き監視モニターはもはやファッションにすら見えてくる(出典:fox9)
自宅軟禁中のアンナは、ロサンゼルスでの番組出演のために特別な許可を得てニューヨークから参加。さらに、出演条件として「パパラッチを同席させること」を提示し、注目を集めました。
パパラッチを同席させた理由として、アンナは「せっかく整えたヘアメイクや衣装を無駄にしたくないから」と答えたんだ
お金と時間を使って、せっかくきれいにしたのだから、パパラッチに写真を取らせてメディアに露出したいってことね
インスタグラム100万人のフォロワーと注目の投稿
アンナ・ソローキン(アンナ・デルヴェイ)は、現在もインスタグラムを活発に更新し、その投稿が注目を集めています。2021年2月12日には、「I’m back」と記載した投稿をし、ニューヨークに戻ったことを報告。
2021年2月12日に「I’m back」と投稿(出典:Anna Delveyインスタグラム)
2021年2月時点ではフォロワーが366人だったアンナのアカウントは、2024年11月現在、100万人を超えています。
2024年11月6日のインスタグラム。この投稿についた「いいね」の数は61,925(出典:Anna Delveyインスタグラム)
2024年11月6日には、アメリカの大統領選挙翌日に、アメリカの国旗を背景にポーズを決めた写真を投稿。
自身の名前Anna Delveyを記入した大統領選の投票用紙(出典:Anna Delveyインスタグラム)
さらに、自分の名前「Anna Delvey」を投票用紙に記載した画像も一緒に公開され、コメント欄ではフォロワーから次のような反応が寄せられました。
「ホワイトハウスに潜り込むのもいいかもね」
「投票用紙に君の名前を書いたよ」
「アンナ・デルヴェイだけがアメリカを再び偉大にすることができる」
アンナ、結局どこまで行くんだろう?詐欺師からファッションアイコン、今じゃインフルエンサーとしても成功してるし・・・
日本だと、犯罪者がメディアに出るなんてありえないのに。日本ではどんなに反省しても、その過去はずっとついて回るわよね
まとめ
アンナ・ソローキンの生い立ち
・アンナ・ソローキンは、1991年1月23日、ロシアのウラジオストクで生まれました。
・父・母・兄弟(1人)の4人家族の決して裕福ではない家庭環境で育ち、幼少の頃から西洋文化に強い憧れを抱いていました。
・16歳でドイツに移住し、その後、ファッションやアートの世界に強い関心を抱き、ニューヨークへと渡ります。
詐欺の手口
・ニューヨークで、アンナ・ソローキンは「アンナ・デルヴェイ」という偽名を名乗り、莫大な資産を持つドイツ人相続人であると偽装。
・高級レストランでの高額な食事代を支払わせたり、架空の「アンナ・デルヴェイ財団」への投資を持ちかけるなど、巧妙な手口で周囲から多額の資金を騙し取ろうとしました。
逮捕、裁判、そして刑務所
・2017年、アンナ・デルヴェイの詐欺行為が発覚し、逮捕されました。
・2019年、ニューヨーク州最高裁判所にて、重窃盗罪などの罪状で有罪判決を受け、4年から12年の懲役刑と、約24,000ドルの罰金、および賠償金約20万ドルの支払いを命じられました。
釈放
・2021年2月、模範的な行動が認められ、刑期満了前に釈放されました。
・しかし、ビザの期限切れにより、アメリカ移民税関捜査局(ICE)に身柄を拘束され、強制送還の対象となりました。
・その後、彼女はドイツの送還を拒否し、アメリカ国内の移民収容施設に移送されました
アンナ・ソローキンの現在
・移民収容施設から出所した後、アンナ・ソローキンはニューヨークのイースト・ヴィレッジにあるアパートで新たな生活を始めました。
・彼女は刑務所内で制作したアート作品を販売し、その収益で保釈金やアパートの家賃を支払いました。
・また、Netflixのドラマ『令嬢アンナの真実』により自身の詐欺事件が注目を集めたほか、GPS付き監視用モニターを足首に装着しながらも、現在メディアに積極的に露出。
・インスタグラムでも頻繁に発信を続けています。
今回は、11月21日(木) 19:00放送「珍ゴシップ・ザ・ワールド」で放送される、ニューヨークでセレブになりすまし24億円をダマし取ろうとした女詐欺師:アンナ・デルヴェイの現在や彼氏、父親や家族構成から生い立ちなどの経歴、また詐欺の手口についてどこよりも詳しくお伝えしました。
当日の放送と併せてお楽しみいただけますと幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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