9月19日から配信が開始されたNetflix「極悪女王」。もうすでに、最終エピソード5話まで全て見終わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
花の55年組
左から:ライオネス飛鳥、大森ゆかり、ダンプ松本、長与千種(画像:週刊プロレス)
今回は、ダンプ松本の「本当の」引退試合について取り上げます。
Netflix「極悪女王」と実話の違いは?
「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」
フィクション(極悪女王) | 実際(実話) | |
日付 | 1988年2月25日 | 同じ |
場所 | 後楽園ホール | 川崎市体育館 |
内容1 | ダンプ松本&大森ゆかりvsクラッシュギャルズ | 同じ |
内容2 | ダンプ松本&長与千種vs大森ゆかり&ライオネス飛鳥 | 同じ |
内容3 | ラストマッチ | ラストマッチは3日後の熊谷市体育館 |
解説 | ジャガー横田 | 同じ |
レフリー | 阿部四郎・本庄ゆかり | 阿部四郎・ジミー加山 |
家族 | 父・母・妹が観戦に | 家族の観戦はなし |
Netflix「極悪女王」最終第5話では、ダンプ松本の引退試合が「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」として、1988年2月25日に後楽園ホールで行われるシーンが描かれています。
また、劇中ではダンプ松本の家族である父・五郎さん、母・里子さん、そして妹・広美さんが観戦に訪れていますね。
妹への愛情表現?竹刀での一撃
ドラマの中では、妹の広美さんが「ダンプ松本」の刺繡入り特攻服を姉に見せ、「どう、いいでしょ?」と誇らしげに見せる場面が描かれています。
ところが、ダンプ松本は妹を竹刀でぶっ叩くという驚きの行動を見せます。もちろん、実際にはこのような出来事は起きていません。
このシーンを観たとき、竹刀で叩く行為が一種の愛情表現なのではないかと思わされます。特注の刺繡入り特攻服を着て、わざわざ応援に駆けつけた妹に対して、感謝の言葉の代わりに竹刀で一撃。これがダンプ松本一流の愛情表現と感じられる場面です。
本庄ゆかりの感動的な登場
また、劇中には本庄ゆかり(クレーン・ユウ)がレフェリーとして登場し、「ダンプ&長与 vs 飛鳥&大森」の感動的なエキシビションマッチで「うちがやる!」と言い放ち、勢いよくジャンパーを脱ぎ捨てるシーンがあります。
しかし、実際の試合で本庄ゆかりはレフェリーを務めていませんでした。
名言!本庄ゆかりレフリー「うちがやる!」(画像:Netflix X)
本庄ゆかりはダンプ松本とともに「極悪同盟」の一員として活躍した55年組ですが、このドラマでの彼女のレフェリー登場は、非常にドラマチックな演出。このシーンで、これまでなんとか守ってきた涙腺がとうとう崩壊してしまった方も多いのでは?
実は実際のエキシビションマッチでレフェリーを務めたのは、ジミー加山です。
ジミー加山レフリー(=松永国松・副社長)(画像:YouTube)
ジミー加山レフリーは全女松永兄弟四男の「松永国松副社長」だよね!
四男の松永国松(演:黒田大輔)(出典:oricon)
実際に「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」が行われたのは、1988年2月25日、川崎市体育館でした。
Netflix「極悪女王」では後楽園ホールでの試合として描かれていますが、現実では川崎市体育館での試合が舞台となっています。
ダンプ松本の本当のラストマッチ
さらに、2月25日の「引退特別試合」はダンプ松本の最後の試合ではありませんでした。彼女の本当のラストマッチは、その3日後の1988年2月28日、地元である埼玉県熊谷市体育館で行われました。
このラストマッチでは、ダンプ松本はブル中野&コンドル斉藤との1対2の変則タッグマッチに挑みました。この試合をもって、ダンプ松本のプロレス人生は幕を閉じたのです。
1988年2月25日に行われた「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」では、ダンプ松本と大森ゆかりがクラッシュギャルズ(長与千種とライオネス飛鳥)と対戦する55年同期対決が繰り広げられました。
この試合で、ダンプ松本が得意技である「ダンプ・ドライバー」や「ダンプ・ボム」を駆使し、凶器を使用して相変わらずヒールに徹しするというブレない姿は天晴れです。
フォーク攻撃で流血の展開
さらに驚くべきことに、ダンプ松本は味方である大森ゆかりにまでフォーク攻撃を仕掛け、長与千種やライオネス飛鳥だけでなく、大森ゆかりも流血する事態に発展しました。
試合は13分50秒で無効試合となりましたが、その後の展開が実に感動的なものとなります。
最大の見せ場!熱いメッセージとエキシビションマッチ
ダンプ松本はこの引退特別試合終了後、「長与、来い!お前とは敵だけじゃ終われないんだ、来い」と叫びます。
ダンプ松本(本人):「長与、来い!お前とは敵だけじゃ終われないんだ、来い」(画像:YouTube)
長与千種も「本当のプロレスを見せてやる! 私たちだけしかできないプロレスを見せてやる!!」と応じます。
長与千種と抱き合うダンプ松本(本人)。見逃せないのは、長与と抱き合いながら、松永国松副社長が伸ばしてきた手と握手を交わしているところです。(画像:YouTube)
大森ゆかりも「飛鳥、立て。一緒にやろう!」と呼びかけ、ライオネス飛鳥が「55年組にしかできないプロレスを、これから見せるぞ!」と続けました。
そして始まった「ダンプ&長与vs飛鳥&大森」の5分間のエキシビションマッチが、この試合の中でも最大の感動シーンであり、ドラマ「極悪女王」のクライマックスシーンとなりました。
熊谷市体育館でのラストマッチとは?
さて、本当の引退試合は、熊谷市体育館でのラストマッチのことで、これは1988年2月28日におこなれた試合で、これがダンプ松本にとって最後の試合となりました。
この熊谷市体育館でのラストマッチはNetflix「極悪女王」では取り上げられていません。
「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」の3日後だね
ラストマッチの内容
この熊谷市体育館でのラストマッチは「ダンプ松本vsブル中野&コンドル斉藤」という、1対2の変則タッグマッチです。試合はダンプ松本が圧倒的な強さを見せつけ、勝利を収めました。
泣きじゃくるダンプ松本のマイクパフォーマンス
試合後、ダンプ松本は「クラッシュギャルズのファンの皆さん、今までチーちゃん(長与)やトンちゃん(飛鳥)のことをいじめてすいませんでした」と号泣しながら謝罪する最後のマイクパフォーマンスを行いました。
「今までチーちゃんやトンちゃんのことをいじめてすいませんでした」と泣きじゃくるダンプ松本(本人)。(画像:YouTube)
さらにダンプ松本は「これまで支えてくれたお母さん、ありがとう」と言い、観戦に来ていた家族(父の五郎さん、母の里子さん、妹の広美さん)に向かって深く頭を下げました。
リングサイド最前列で見守っていたダンプ松本の家族も、あふれる涙を何度も拭いながら涙するダンプ松本を見守っていました。
まとめ
ダンプ松本の本当の引退試合は?
ダンプ松本のラストマッチ・引退試合は、1988年2月28日に熊谷市体育館で行われました。彼女はブル中野とコンドル斉藤との変則タッグマッチでプロレス人生の幕を下ろしました。
「ダンプ松本&大森ゆかりの引退特別試合」と実際の違いは?
Netflix「極悪女王)(フィクション)では、引退試合が後楽園ホールで行われたと描かれていますが、実際は川崎市体育館でした。また、レフリーもフィクションでは阿部四郎と本庄ゆかりでしたが、実際には本庄ゆかりではなく、ジミー加山が務めました。
Netflix「極悪女王」の視聴と併せてお楽しみいただけたら幸いです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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