9月15日(日)23:25 放送の「情熱大陸」では、日本から1万キロ以上離れたケニアで、障害のある子どもたちを支える医師、公文 和子(くもん かずこ)さんが特集されます。
情熱大陸に出演する公文和子さん(出典:goipeace)
公文さんは、英国で熱帯医学を学び、2002年からケニアでJICAや国際NGOに従事し、2015年には障害児とその家族を支援する「シロアムの園」を設立しました。
このブログでは、公文さんの経歴やプロフィール、家族構成(父、母、夫、子どもなど)や医療への情熱やアフリカとの深いつながり、そして「シロアムの園」の活動についてまでどこよりも詳しくお伝えします。
- 公文和子さんの経歴・プロフィール
- 公文和子さんの家族構成
- 公文和子さんの生い立ちや医者になったきっかけ
- 「シロアムの園」の設立の背景
- 公文和子さんと風に立つライオン基金との関係
- 公文和子さんの夢・ビジョンとは
公文和子さんのプロフィール
公文和子さんは、北海道大学医学部を卒業後、日本で小児科医として勤務。その後、2002年からケニアでJICAや国際NGOに従事し、2015年には障害児とその家族を支援する「シロアムの園」を設立しました。
小児科医・シロアムの園代表:公文和子さん(出典:公益財団法人社会貢献支援財団)
公文和子さんの経歴
名前 | 公文 和子(くもん かずこ) |
生年月日 | 1968年生まれ |
年齢 | 56歳(2024年の誕生日で) |
出生地 | 和歌山市 |
出身中学 | 東京学芸大学付属中学校 |
出身高校 | 東京学芸大学付属高等学校 |
出身大学 | 北海道大学医学部 |
公文和子さんの家族構成
(出典:毎日新聞)
- 父: 公文宏(くもんひろし)さん。元大蔵官僚、国土事務次官。2020年1月8日に敗血症で83歳で亡くなりました。
- 母: 公文紘子(くもんひろこ)さん。
- きょうだい: 3姉妹の次女。姉と妹が一人ずついます。
- 夫: 「現地の男性との間に」長女が誕生、との情報あり。婚姻関係にあるかは不明。
- 子供: 長女の愛(まな)さん(2007年生まれ)。2024年現在:16歳または17歳。
公文和子さんは3姉妹の真ん中で育ちました(出典:YouTube lifelinemovie)
(出典:朝日新聞「フロントランナー」)
現地の男性との間という表現がなんか微妙ね
公文さんは2002年に、国際協力機構(JICA)のプロジェクトでケニアに来ているから、「現地」というのはケニアを指していると思う。
公文和子さんが戸籍上、結婚しているのか、あるいは結婚し離婚したのか、それとも未婚で長女の愛さんを出産したのか、明確な情報は得られませんでした。娘さんを出産した2007年は公文さんは、38歳か39歳でした。
娘の愛ちゃんです。小学校低学年頃。この頃の公文さんはシロアムの園の設立で奔走しながら母としても多忙な時期を送られていました(出典:Kazuko Kumon Face Book)
公文さんが、シロアムの園を設立した2015年は娘の愛さんは7歳か8歳でした。まだ小さい子供を抱えながらの、シロアムの園の設立は、非常に忙しく多忙を極める大変な日々だったことと思います。
公文和子さんの生い立ちと医者になるまで
(出典:nation)
生い立ちとクリスチャンとしての背景
公文和子さんは、子供の頃から活発な性格で、バスケットボール部に所属し、高校でもその情熱を注いでいました。彼女の人生における大きな転機は、高校1年生の時にキリスト教の洗礼を受けたことです。
高校時のバスケ部員と公文さん(前列左から2人目)
(出典:朝日新聞「フロントランナー」)
クリスチャンの両親のもとで育ち、教会に通っていた公文さんは、姉がクリスチャンになることを拒否したことで、自らの信仰について深く考え始めました。
その結果、イエス・キリストと共に歩む決意をし、クリスチャンとしての道を歩み始めました。この信仰が、医師としての活動や「シロアムの園」の設立においても重要な役割を果たしました。
医者になったきっかけ
公文さんが医療の道を志すようになったのは、中学生時代に憧れの先輩が図書館で読んでいた本がきっかけでした。
その本は闘病に関する手記であり、興味を持った和子さんは他の関連する本をたくさん読むようになりました。
この経験が、医師として人々の命に関わりたいという強い思いを育て、医療の道へ進む決意を固めるきっかけとなりました。
アフリカへの道のり
公文和子さんは北海道大学医学部を卒業後、北海道内の病院で小児科医として働き始めました。
医者になって2年目頃、北海道内の病院で小児科で勤務していた当時の公文さん(出典:JAMMIN)
その後、イギリス・リバプールの熱帯医学校で1年間、熱帯小児医学を学び、西アフリカのシエラレオネにある難民キャンプの国立病院に派遣されました。
しかし、内戦の影響で劣悪な環境の中、子どもたちが次々と亡くなる状況を目の当たりにし、公文さんは深い衝撃を受けました。
心身共に病んだ公文さんは、不明熱に苦しみながらドイツ・ハンブルクの病院に緊急搬送されることになりました。
(出典:公益財団法人 ソロプチミスト)
ドイツでの入院後、イギリスに戻りましたが、モチベーションを失いしばらく活動が停滞しました。
その後、カンボジアのアンコールワット近くの病院で働くものの、西アフリカのシエラレオネに戻りたいという思いが消えませんでした。
この願いが叶い、2002年には国際協力機構(JICA)のプロジェクトで再びアフリカへ赴任。ケニアではエイズ専門家として活動し、現地の国際NGOや民間診療所で障害児とその家族が直面する困難に取り組みました。
公文さんは、シエラレオネの難民キャンプで小児科医としての勤務が過酷で心身ともにバランスを崩してしまったんだ。
マラリアに2回罹り、免疫力が弱くなり、全然病気が治らなくて、てエボラとかラッサ熱と思われ、それでドイツに搬送されたそうね。
体も心もダメージを受けた公文さんは、挫折を味わって、そこから立ち上がるのにすごく時間がかかったんだって。
ケニアでの活動と「シロアムの園」設立
ケニア医学研究所(Kemri)で医療従事者のキャパシティビルダーとして働いた後、ナイロビのスラム区・キベラで2015年に小さなクリニックで勤務しました。ケニアでの医療活動は厳しい状況の中で行われました。
2012年、ケニアでスラムの衛生指導を行っていた際、診察を受けに来た脳性麻痺の少年が見せた無邪気な笑顔に感銘を受け、「この子たちと共に生きていこう」と決意しました。
(出典:シロアムの園Face Book)
2015年には、障害児の療養施設「シロアムの園」を設立しました。この施設の名前は、聖書に登場する「シロアムの池」に由来し、目の見えない人を癒したイエス・キリストのエピソードにちなんでいます。
ケニアの子供たちの「瞳」が公文さんを「この子たちと共に生きていこう」と決意させたんだって。
「シロアムの園」の設立と活動
(出典:クリスチャン新聞)
設立の背景と目的
ケニアでは障害児支援が不足しており、適切な療育や支援がほとんどありませんでした。そのため、公文さんは「シロアムの園」を設立し、障害児とその家族に対する包括的なサポートを提供することを決意しました。
この施設では、療育やリハビリテーション、教育を行い、障害児とその家族の生活の質を向上させることを目的としています。
「シロアムの園」とクラウドファンディングの成功
資金調達のため、公文さんは日本の企業や団体からの寄付を募り、またクラウドファンディングも活用しました。2019年には「READYFOR」を通じて、目標金額を大きく上回る約564万円を集めることに成功しました。
この支援によって施設の建設が進み、無事に完成しました。また、公文さんの著書「グッドモーニングトゥーユー!」は、シロアムの園の活動を広く知ってもらう一助となりました。
現地のスタッフ教育と運営の課題
「シロアムの園」では、現地スタッフの教育のために日本から専門家を呼び、研修を行っています。ケニアでは交通機関や宿泊施設の整備が不十分なため、公文さんは送迎や宿泊の手配を自ら行っています。
シロアムの園で開催される研修(出典:シロアムの園Face Book)
また、施設の運営には経済的な苦労もありますが、毎年夏に来日して講演を行い、支援を呼びかけています。施設には多くの待機者があり、受け入れ体制の拡充が課題です。
誕生日を祝う公文和子さんの深い思い
公文和子さんは、「シロアムの園」に通う子どもたちが、生まれてきたことを祝う機会を大切にしています。
公文さんは
「シロアムに来るまで、生まれてきた事を喜んでもらえる経験が一度もない子たちがいるから、せめてお誕生日はシロアムの園で祝ってあげたい」
と語り、忙しい中でも毎月、手作りのケーキを用意しています。
クリスマス会(出典:公益財団法人社会貢献支援財団)
どんなに重い障がいがあっても、その命は大切であり、障がいがあるからこそ質の高い医療やリハビリ、教育を受けて、命の輝きを見いだせるようにすることが、シロアムの園の理念と、公文さんは言います
この小さな誕生日の祝福は、世界中の子どもたちが大切にされる世の中を作るための第一歩であると考えています。
公文和子さんの人柄を示す日常の取り組み
「シロアムの園」では、日本から専門家を招いての研修が年間を通じて行われています。
ケニアの宿泊施設や交通手段が整っていない中で、公文和子さんはそのほとんどを手配し、自ら送迎や宿泊の面倒を見ています。
乗馬セラピー(出典:公益財団法人社会貢献支援財団)
経済的な苦労が絶えない中で、彼女は毎年夏に日本に帰国し、講演を通じて支援を呼びかけながら運営を続けています。
ケニア人スタッフの雇用と教育には多くの困難が伴いますが、公文さんはいつも笑顔と愛情をもって子どもたちを抱きしめています。
彼女の献身的な姿勢と温かな人柄は、シロアムの園の活動の根底に流れる強い信念と愛を象徴しています。
国際的な認知と評価
公文和子さんは「クーリエ・ジャポン」の「2023年に世界が注目した日本人100」に選ばれ、ケニア紙「ネイション」でもその活動が紹介されました。ケニアでの支援活動に対するその献身的な努力が評価されています。
公文和子さんの著書「グッド・モーニング・トゥ・ユー!」
公文和子さんは、自身の半生と「シロアムの園」の歩みを綴った手記『グッド・モーニング・トゥ・ユー!』を刊行しました。
この著書では、彼女が医師としての活動だけでなく、彼女自身の生き方や深い信仰が描かれており、多くの読者に感動を与えました。
グッド・モーニング・トゥ・ユー! 2021年7月出版(出典:Amazon)
さだまさしさんが帯を書かれています。
公文さんは「園で子どもたちと過ごす時間は本当に幸せ。笑顔をはじめ、多くのものを受け取っていることを伝えたい」と語っており、彼女自身の体験や信仰が色濃く反映されています。
著書の内容は、クリスチャンでない読者にも広まり、シロアムの園の活動がより多くの人々に知られるきっかけとなりました。
「風に立つライオン基金」誕生のきっかけ
「風に立つライオン基金」は、シンガーソングライターのさだまさしさんが設立した公益財団法人で、国内外の僻地医療や大規模災害の復旧現場で奉仕活動を行う個人や団体を支援しています。
この「風に立つライオン基金」が設立されるきっかけとなったのは、公文和子さんとの出会いでした。
左:さだまさしさん
右:公文和子さん
(出典:シロアムの園Face Book)
さだまさしさんは、公文和子さんがケニアで設立した障がい児支援施設「シロアムの園」の活動に深く感銘を受けました。
この出会いが契機となり、さだまさしさんは「風に立つライオン基金」を設立し、公文和子さんのような医療従事者や支援活動を行う人々をサポートすることを決意しました。
風に立つライオン基金の協力で建てた多目的室と倉庫(出典:シロアムの園HP)
「シロアムの園」の活動が基金設立に大きな影響を与えた結果、国際的な支援ネットワークが広がり、多くの人々に医療と支援が届けられるようになりました。
「シロアムの園」の課題と今後のビジョン
「シロアムの園」の課題
「シロアムの園」は、多くの子どもたちに質の高い支援を提供する一方で、いくつかの重要な課題に直面しています。
新しい施設の設立により、より多くの子どもたちを迎え入れることが可能になりましたが、現在、150人以上の子どもたちが待機リストに名前を連ねており、実際に受け入れられるのは年間10人程度が限界です。
クリスマス聖誕劇での子供たちの衣装準備(出典:JAMMIN)
このため、新たに申し込んだ子どもたちがシロアムの園に入るまでには、計算上15年以上かかってしまうことになり、これは全く現実的ではありません。
この現実的な問題に対処するためには、サービスの拡大だけでなく、持続可能な運営モデルの確立が求められます。
また、持続可能な運営のためには、人件費やサービスの拡大についても慎重に対応する必要があります。
公文和子さんの夢未来のビジョン
公文さんは生産性や効率性、コミュニケーション能力ではなく、その人の存在自体に価値を置ける社会になってほしい」と願う。公文さんの夢は、「シロアムの園」を通じてケニアだけでなく、地域全体や国全体を変えることです。
(出典:bookhousecafe)
障害児支援の質を向上させ、地域や国全体で同様の支援が提供できるようにすることを目指しています。
さらに、質の高い教育や医療、福祉制度の整備を進めてい社会福祉制度や教育、医療の改革にも貢献し持続可能な支援体制を築くことが彼女の大きなビジョンです。
まとめ
公文和子の経歴・プロフィール
公文 和子(くもん かずこ)
(出典:朝日新聞デジタル)
- 1968年、和歌山県に生まれる
- 父の転勤に伴い、幼稚園~高校時代を東京で過ごす
- 1988年(19歳):北海道大学医学部に入学。大学ではウィンドサーフィンに夢中。
- 1994年(25歳):医学部卒業。卒業旅行としてバングラデシュに一人旅。小児科医として北海道内の病院で勤務開始。
- 2000年(31歳):イギリス・リバプールに留学し熱帯小児医学を学んだ後、西アフリカのシエラレオネで医療支援。体調を崩しドイツで治療後、カンボジアで勤務。
- 2002年(33歳):国際協力機構(JICA)のプロジェクトでケニアへ。
- 2007年(38歳):現地男性との間に長女・愛(まな)さんが誕生。
- 2015年(46歳):ケニアに「シロアムの園」を設立。名称は新約聖書の池に由来。
公文和子さんの家族構成
- 父: 公文宏さん(元大蔵官僚、国土事務次官)。2020年1月8日に敗血症で83歳で亡くなりました。
- 母: 公文紘子さん。
- きょうだい: 3姉妹の次女。姉と妹が一人ずついます。
- 夫: 「現地男性」との間に長女を出産しているが、戸籍上の婚姻関係にあるかは不明。
- 子供: 長女・愛(まな)さん(2007年生まれ)。
中学生の時の長女愛さんと。シロアムの園の運営の強力な助っ人ですね(出典:Kazuko Kumon Face Book)
今回は、小児科医であり、ケニアで障がい児支援施設「シロアムの園」を運営している公文和子さんについてお伝えしました。
9月15日(日)の「情熱大陸」当日の放送と併せてお楽しみいただけますと幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
情熱大陸を見て、お2人目の支援を希望したいと思いました。どうすれば良いでしょうか?
石井容子さま
「シロアムの園」のホームページに
「シロアムの園へのご支援」というページがありました。
URLはこちらになります。
https://www.thegardenofsiloam.org/%E6%94%AF%E6%8F%B4-%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%99%E3%82%8B/
また、「シロアムの園へのお問い合わせ」という「お問い合わせフォームA」もありました。ご支援の前に、まずはお問い合わせフォームから連絡をしたほうが良いように思いました。お問い合わせフォームのURLはこちらです。
https://www.thegardenofsiloam.org/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B-1/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0a/
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