5月27日夜7時放送「帰れマンデー見っけ隊!!」は3時間スペシャル・裏鎌倉の旅。
今日は、この裏鎌倉の旅の最終ゴールとして紹介された謎の巨大開運洞窟に注目したいと思います。
600年かけて手掘りで造られたという、この謎の巨大開運洞窟の名前は?
壁面に無数の仏像が手彫りで刻まれたこの開運洞窟とは一体どのような洞窟?
とても興味深くて謎ですよね!
鎌倉付近にあるこの謎の巨大開運洞窟のことが気になったので早速いろいろ調べてみました。
「帰れマンデー見っけ隊!!」で放送された謎の巨大開運洞窟の名前は?
まず最初に結論です。
5月27日放送の「帰れマンデー見っけ隊!!」で放送された裏鎌倉にある巨大洞窟は
田谷の洞窟(正式名称:田谷山 瑜伽洞 たやさん ゆがどう)
です。
このブログではこの田谷の洞窟の歴史や見どころ、アクセス情報まで、すべてを網羅。
神秘的な開運洞窟の魅力を一緒に探っていきましょう!
田谷の洞窟とは
田谷の洞窟の正式名称は「田谷山瑜伽洞」(たやさんゆがどう)といいます。
鎌倉からほど近い横浜市栄区の定泉寺(じょうせんじ)境内にある歴史的な人工洞窟です。
鎌倉時代から江戸時代までの600年という長い年月をかけて、修行僧たちがノミだけで掘って作った洞窟です。
「瑜伽」とはヨガを意味するため、この田谷山瑜伽洞が僧侶にとっての修行の場であることもこの名前からわかります。
画像:公益社団法人神奈川県観光協会より
田谷の洞窟入口付近
田谷の洞窟の歴史について
この田谷の洞窟は、もともとは古代人の横穴式住居跡や、あるいは古墳の跡だったとも言われています。
その後、今からおよそ800年前の鎌倉時代に、真言密教の修行場としてこの洞窟を僧侶が掘り進めました。
江戸時代には一時的に閉鎖されましたが、天保年間には湧水の潅漑用水としての利用とともに、再び修行の場として整備されました。
画像:日本秘境探訪より
田谷山瑜伽洞 立体図
総計1kmにも及ぶこの洞窟内は、上下三段構造となっていて、17の広々とした空間が通路で繋がれています。
田谷の洞窟が修業の場となったきっかけ
田谷の洞窟が真言密教の修業の場として使われるようになったのには、実はきっかけとなる歴史があります。
鎌倉時代初期、定泉寺の敷地にはもともと朝比奈三郎義秀の館があり、洞内には弁財天が祀られていました。
ところが1213年の和田合戦で三郎義秀は戦に敗れてしまい、この洞窟を通って逃れたと伝えられています。
その後、三郎義秀が消息を絶った後、洞窟は鶴岡八幡寺の僧侶たちによって守られ、真言密教の修行の場として利用された、という歴史的背景がこの洞窟が修行の場に用いられた理由として考えられています。
田谷の洞窟の内部
田谷の洞窟内には、壁面や天井に観音菩薩像や弘法大師像、龍や鳳凰など250以上のレリーフが彫られています。
さらに、供僧たちがお経を唱えながら掘り進めたとされるノミの跡も、そのまま残されています。
通路の壁面や天井、洞窟内の至るところに彫られた曼荼羅、十八羅漢、刈萱道心の仏教説話がこの動画にギュッと凝縮!
洞窟内の写真・ビデオ撮影は禁止だから、これはとっても貴重な動画だね
すごかったわね、これは想像以上だったわ!
洞窟内にあるレリーフ
600 年かけて手掘りされた謎の巨大開運洞窟に手彫りで作られた仏像
①阿吽の獅子・昇龍 降龍・迦楼羅(かるら)
②旧薬師堂
③薬師十二神将(十二干支)
④秩父三十四観音霊場・迦陵頻伽(天井)
⑤金剛界曼荼羅(種子曼荼羅)
⑥旧朝比奈弁財天
①西国三十三観音霊場
⑧西国三十三観音霊場・高砂の松
⑨厄除大師
⑩胎蔵界曼荼羅(種子曼荼羅)
⑪当洞本尊 一願弘法大師 四国八十八霊場(讚岐)
⑫大師堂脇陣
⑬四国八十八霊場(阿波)・月天通風口
⑭五大明王·瑜伽道場
⑮高野山奥の院・金剛水・刈萱道心
⑯音無川・十八羅漢
⑰十方除本尊安鎮国家不動明王
⑱坂東三十三観音霊場
600 年かけて修行僧により手掘りされたこれらの仏像たち。
電気などない時代にロウソクだけの灯りを頼りに、これだけのものをノミだけで彫って後世に遺した偉業に感動します。
ドーム状空間に配置された「四国八十八ケ所霊場」
とても人の手で彫ったとは思えないよ
そうね、彫刻の荘厳さに圧倒してしまったわ
洞窟内を流れる音無川
洞窟内には、音無川という川が流れています。
この音無川は、穏やかな流れでありながら水量が豊富であり、洞窟を掘ったのはこの水を得ることが目的のひとつであったとも言われています。
この川があることで適度な湿度が保たれ、このように長期間、洞窟が保たれている要因と考えられています。
洞窟内はろうそくを持って拝観
受付で拝観料として400円を払い、小さなロウソクを受け取ります。
窟入り口に置いてあるロウソク立てにロウソクをさします。
洞窟内を参拝中はろうそくの灯が消えないよう、ゆっくり歩くことで心が集中し、精神が安定する効果があります。
(洞窟内にはぼんやりと電灯の灯りがあるため、ロウソク無しでも歩くことも可能です。)
田谷の開運洞窟 ご利益は?
この洞窟には「四国八十八霊場」・「西国三十三観音霊場」・「坂東三十三観音霊場」・「秩父三十四観音霊場」が写し彫られて祀られています。
洞窟内を歩いて参拝することで、日本各地にあるそれら霊場を巡礼したのと同じご利益を受けることができるそうです。
この田谷の洞窟を参拝しただけで、全国を巡礼したのと同じ恩恵が受けられるなんて!まさに開運洞窟だね
田谷の洞窟は強力なパワーポットね!
田谷の洞窟以外のパワースポットは?
定泉寺にはこの洞窟以外にも開運祈願できるパワースポットがあります。
それは「子宝祈願」です。
定泉寺本堂前にある「子授けの玉石」
まず玉石を撫で、その次に玉石を撫でた手でお腹を撫で子宝が授かるよう祈願します。
赤ちゃんが授かったら、御礼参りとして小さな丸い石をお供えします。
田谷の洞窟は日本のカッパドキア?
2021年3月13日放送の「世界ふしぎ発見!」では田谷の洞窟(田谷山瑜伽洞)を取り上げ、
天にそびえる白銀のカッパドキア ー 蘇った巨大地下世界!ー 日本の地下空間「田谷の洞窟」
と紹介しました。
田谷の洞窟を訪れたミステリーハンター中山卓也さん(約3年前)。
その時の世界ふしぎ発見!で中山さんは、田谷山瑜伽洞を「日本のカッパドキア」と表現したんだよ!
画像:TURKISH Air&Travelより
ちなみに、こちらがトルコにある「カッパドキア地下都市」
トルコのカッパドキアには、凝灰岩を掘り進めて作られた地下都市が約150〜200も存在し、これらは互いに繋がっているとされています。
その最盛期には、推定で5万人もの人々がこの地下都市に住んでいたと考えられています。
横浜市の地域史跡に登録
田谷山瑜伽洞は1990年に横浜市の地域史跡に登録されました。
しかし、地域文化財は指定文化財と違って保全維持に対する公的支援はほとんどないのが現状です。
進む劣化と3Dデータ化
田谷山瑜伽洞が抱える課題として「保全管理」が挙げられます。
近年は、天井のレリーフがはがれ落ちるなど、田谷の洞窟では劣化が加速中だからです。
修復と保全管理が大きな課題なのですが、この洞窟は複雑な構造のため技術面・予算面ともに維持管理は難しく、今後も洞窟の状態を保っていくことは困難な状況に置かれています。
「洞窟は自然環境の影響が避けられず、永久には保全できない宿命にある」
そこで、劣化が進む洞窟を後世に残そうと、数年前から「田谷の洞窟保存実行委員会」が3Dデータ化を進めてます。
洞窟の内部を3Dスキャンして洞窟の構造をVRデータ(仮想現実)として保存する、という方法です。
また、VRデータ化することで、高齢者や体が不自由で洞窟に入りにくい人にも内部を見てもらえるようになることが期待できるといいます。
「一度崩れたら元には戻せないので、なるべく早くデータとして後世へ残したい」と定泉寺の副住職もこの3Dデータ化に意欲的なのだそうです。
田谷の洞窟が抱えている課題とは
田谷の洞窟が直面している5つの課題
- 劣化・風化
- ゲリラ豪雨
- 参拝客による落書き
- 高額な修繕費
- 宗教離れ
これらの要因が複合的に重なり、洞窟の保存に深刻な影響を与えています。
特に気候変動が問題の中心であり、このまま放置すれば美しい地下空間が失われる恐れがあります。
田谷の洞窟の保存にご支援を
3Dデータ化を進めている「田谷の洞窟保存実行委員会」はこの洞窟の保存のための寄付を募っています。
田谷の洞窟保存実行委員会は横浜市登録史跡「田谷の洞窟」を次世代に継承するための保存活動に対する支援・寄付を募集しています。
クレジットカードや銀行振り込みによる寄付が可能となっています。
田谷の洞窟がある定泉寺本堂について
田谷の洞窟がある定泉寺は天文元年(1532年)に建てられたと言われています。
一方、田谷の洞窟はそれより前の鎌倉時代(約800年前)から堀始まったとの言い伝えがあることから、田谷の洞窟のほうが定泉寺よりも歴史が古い、ということになります。
画像:公益社団法人神奈川県観光協会より
田谷の洞窟がある定泉寺(じょうせんじ)本堂
正泉寺は真言宗大覚寺派のお寺です。
田谷の洞窟はこの正泉寺の境内にあります。
正泉寺の厄除け木魚
正泉寺の本堂にある厄除け木魚
こんなに大きな木魚見たことないよ!
この厄除け木魚を、厄年の人は年齢の回数だけ、それ以外の人は21回叩いて厄除けの祈願をします。
田谷の洞窟へのアクセス・料金・拝観時間
アクセス
所在地:神奈川県横浜市栄区田谷町1501番地
電話:045-851-2392
●最寄り駅:「大船駅」
(JR東海道本線、根岸線、横須賀線、湘南新宿ライン、湘南モノレール江ノ島線)
●大船駅から神奈中バス「戸塚センター行き」に乗車し、「洞窟前」停留所で下車。
(バス乗車時間:約20分)
拝観料
拝観料:大人400円、中高生200円、小学生100円
拝観時間
拝観時間:午前9時~午後4時半(午後4時受け付け終了)。
まとめ
〇5月27日(月)夜7時放送、「帰れマンデー見っけ隊!」で紹介された裏鎌倉の謎の開運洞窟の名前は田谷山瑜伽洞(たやさんゆがどう)。
〇鎌倉時代から600年という年月をかけて、修行僧たちがノミだけで掘って作った素掘りの人工洞窟。
〇洞窟内の天井や壁面には修行僧が手彫りした観音菩薩像や弘法大師像、龍や鳳凰など250点を超えるレリーフが彫られている。
〇田谷山瑜伽洞は、現在でも修行道場として使われているが、一般の人が洞窟内を拝観することが可能。
〇田谷の洞窟保存実行委員会は、洞窟を次世代に継承するための保存活動への支援・寄付を募っています。
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