福山保険金放火殺人事件(2005年12月28日発生)では、辻富美恵被告が経営する喫茶店に火をつけ、50歳の夫を保険金目当てで殺害したことが大きく注目されました。
実は、この辻富美恵には、長女・森島輝実がいました。そしてこの娘もまた、別の衝撃的な殺人事件を引き起こしました。
ここでは、辻富美恵の実の娘である森島輝実が犯した大阪門真市のシェアハウスバラバラ殺人事件について詳しく取り上げます。
辻富美恵の娘が犯人!門真市舟田町死体損壊事件
福山保険金放火殺人事件(2005年12月28日)の犯人である辻富美恵被告の娘が犯した「門真シェアハウスバラバラ殺人事件」とは?
事件の概要
辻富美恵の娘、森島輝実(てるみ)は、事件発生時29歳でした。この事件は、2015年12月24日に大阪府門真市で発生した殺人事件です。(森島は辻富美恵の旧姓)。
2015年12月30日、大阪府警本部から検察庁に送られる森島輝実(出典:毎日新聞)
森島輝実被告は、同年の8月から11月ごろまで同居していた女性、渡辺佐和子さん(当時25歳)を殺害し遺体を切断し、廃棄しました。殺害後、渡辺さんになりすまし、彼女名義のキャッシュカードを無断で使用して、現金十数万円を引き出しました。
シェアハウスでの生活と「なりすまし」
森島輝実被告は2015年8月頃、大阪府門真市にあるシェアハウスに入居しました。このシェアハウスでは男女5人が共同生活を送り、日々の生活を共にしていました。
その中には、同年3月からこのシェアハウスに住んでいた被害者の渡辺佐和子さんもいて、お互い「さわちゃん」「てるみん」と親しく呼び合う仲だったといいます。
森島被告は、シェアハウスに引っ越して間もない時期に渡辺さんへの「なりすまし」に手を染め始めます。
犯行の背景
当時、森島輝実は自称イラストレーターで、定職には就いておらず、借金もあり、ネット中毒の生活を送っていました。
後の裁判での証言によると、森島被告は夜遅くから朝までネットをして過ごし、特にグロテスクなものへの執着を示していたことが明らかになっています。
森島被告は渡辺さんの免許証を入手し、化粧をして渡辺さんに似せて変装し、消費者金融で11回キャッシングを行い、さらに銀行のキャッシュカードも作成して61万円を引き出しました。
最終的に借金総額は220万円に達し、返済が困難になると、森島被告は渡辺さんを殺害するという最悪の行動に至ります。
事件の経緯
2015年11月、森島輝実被告はシェアハウスを出て、300メートルほど離れた近くのマンション(大阪府門真市舟田町4-23「シャローム門真」3階)に引っ越しています。引っ越しの理由は「犬を飼うため」と言われています。
その後、森島被告はシェアハウスでの住人仲間とのクリスマスパーティーを企画し、渡辺佐和子さんをパーティー準備のための買い物に誘いました。
2人で買い物をした後、森島被告のマンションに立ち寄りましたが、森島は渡辺さんをマンションに一人残し、シェアハウスに戻りました。
事件現場となった森島輝実被告が住んでいたマンション(出典:産経新聞)
その後、シェアハウスの他の男性住人の元に、渡辺さんからのLINEメッセージが届きました。「急用でシェアハウスに帰れなくなった。クリスマスパーティーには出られない。」という内容でした。
しかし、実際にはこのメッセージを送ったのは渡辺さんではなく、彼女の携帯を使った森島被告でした。この時すでに渡辺さんは亡くなっていたのです。
判決によると、森島被告は24日午後7時52分から25日午後0時55分ごろの間に、自室で渡辺さんの首を絞めて窒息死させたとされています。
猟奇的な死体損壊・遺棄
犯行の翌日12月25日、森島輝実被告は近くの大型量販店で冷凍庫、においを取るペット用トイレの砂、塩酸入りの強力な洗浄液、折りたたみのこぎり、ペティナイフ、ごみ袋を買っています。さらには、生ごみ処理機、フードプロセッサーまでも購入したことが明らかになっています。
それから、渡辺さんの遺体を3日かけて切断し、一部を生ごみ処理機にかけ、残りはマンション敷地内のゴミ置き場に捨てました。さらに、また一部は圧力鍋でゆで、遺体をなくしてしまうことで、失踪に見せかけようとしました。
最終的に渡辺さんの行方不明届が12月29日に提出され、大阪府警が森島輝実のマンションを訪問したところ、冷凍庫から切断された遺体の一部が、浴槽からは頭蓋骨、背骨、腰骨が発見されました。
これらバラバラに切断された遺体は骨と肉片に分けられており、森島輝実のマンションの部屋からは、のこぎりも押収され、森島輝実は逮捕されます。
森島輝実容疑者が住んでいたシェアハウスの2階の居室の押し入れからも、バラバラに切断された両手足が発見されました。また1階共有部分にある台所の物入れからも、遺体の一部が見つかっています。
森島輝実のマンションから発見された頭蓋骨、背骨、腰骨、シェアハウスから発見された両手足以外は、マンションとシェアハウスのゴミステーションに捨てられたとみられています。
森島輝実の生い立ち
森島輝実被告は大阪府寝屋川市出身で、小学3年生のときに広島県福山市に引っ越しました。家族は母親と弟2人で、母親の内縁の夫からのひどい虐待を受けて育ちました。幼いころは3時間正座させられたりバットで殴られることもあったといいます。
小学5年のころからは、性的虐待に変わりました。しかし母親が悲しむと思い、打ち明けなかったといいます。
森島輝実被告(出典:breaking-news)
そして高校1年の夏に妊娠していしまいます。母の内縁の夫からは「堕ろしてくれ」と言われるものの、すでに中絶できる時期を過ぎており、結局、自宅で出産します。森島被告は「死産だった」とし、赤ちゃんは男がダムに捨てたそうです。
弁護人は、被告の性格がこのような環境に影響されていると主張しました。
裁判
森島被告の弁護側は、「渡辺さんの死は突然のことで、どうしていいか分からず、なかったことにしようとした」と主張しました。
また、ひどい虐待や中絶など、辛く悲しい出来事があれば、それをなかったことにする傾向が被告の性格であると弁護人は説明しました。
森島輝実被告(出典:産経新聞)
一方で、検察側は状況証拠を積み重ねていく中で、森島被告のインターネット検索履歴を提示しました。事件直前には「人間解体」や「死体の廃棄方法」、「気絶させる方法」といった検索キーワードが記録されていました。
さらに、渡辺さんの遺体からは、被告が直近に処方された睡眠薬成分が検出されました。
睡眠薬を使った手口は母親の富美恵被告の殺害方法と同じだね
判決
森島輝実被告は遺体の切断や遺棄について認めてはいたものの、殺害は一貫して否認していましたが、大阪地裁は、森島被告は渡辺さんになりすまして現金を引き出したり、借金を作ったりしており、また、渡辺さんの携帯を使ってLINEのメッセージを送信したことなどの状況を基に殺害への関与を認定しました。
こうして、2017年6月30日、裁判員裁判において、森島(現在は長田に改姓)輝実被告(判決当時31歳)は極めて残虐な犯行として「無期懲役」が言い渡されました。
「長田」という姓は、実は母親の富美恵被告の内縁の夫と同じ苗字なんだ
ということは、その男性の娘になったということかしら?
一部の情報では「長田」という男は、富美恵被告ではない他の女性と結婚した、という噂もあります。
森島輝実被告は2017年7月10日、この判決を不服として控訴します。そして、同年11月24日に行われた控訴審判決公判で、無期懲役とした1審大阪地裁の裁判員裁判判決を支持、被告側の控訴を棄却しています。
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