テニスラケットを叩き壊すのはなぜ?有名なラケット破壊シーンと破壊歴のある選手は誰?

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みなさんはプロのテニス選手が試合中にラケットを叩き壊すシーンを見たことはあるでしょうか?
その衝撃的な瞬間には、選手の怒りや悔しさが凝縮されていて、一度見るとしばらく忘れられません。

実は、ラケットを壊すことはテニス界では珍しくなく、中にはキャリア中に1,000本以上も壊した選手がいます。

元世界1位のマラト・サフィン選手(ロシア)
現役の間に1055個のラケットを破壊したといわれています。



このブログでは、有名なラケット破壊シーンと過去にラケットを壊したことがある選手、さらには、なぜ選手たちはラケットを壊してしまうのか、その理由や心理、についてご紹介します。

では一緒にみていきましょう。

有名なラケット破壊シーン

では、最初に有名なラケット破壊場面からご紹介します。

この選手の名前は、アレクサンダー・ブブリク選手(カザフスタン)です。
これは2023年の南フランス・オープンで彼が初戦で敗退した試合の中のシーンです。

この試合中に、アレクサンダー・ブブリク選手は、20秒間でラケットを3本叩きつけ破壊させてしまいます。

この時の対戦相手はグレゴワール・バレール(フランス)で、両者1セットずつを取って迎えた第3セットでこの衝撃的な出来事は起こりました。

タイブレークで0-6とマッチポイントを握られたその時に、アレクサンダー選手が怒りを爆発します。
ブブリク選手が怒りに任せてラケット破壊し始めたのです。

実は、アレクサンダー・ブブリク選手はその前の年の2022年の全仏オープンで優勝しています。
その王者がまさかの初戦で見せる劣勢。
結果的にこの試合は、アレクサンダー選手の初戦敗退で終わります。

前年に優勝したほどの強者がまさかの劣勢、その苛立ちからラケットを続けざまに叩き割る気持ちも理解はできます。
やり切れぬ思いから、ラケットを叩きつけたくなる気持ちは分からないでもないですが、複雑な気持ちになりますね。

ラケットを破壊したことがある選手は?

それでは、これまでにラケットを破壊したことがある主な選手について見ていきたいと思います。

セリーナ・ウィリアムズ(2018年09月08日)

セリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)は2018年9月の全米オープンの女子シングルス決勝でラケットを叩き投げました。

対戦相手は、ナオミ・大坂選手でした。
セリーナ選手は、ナオミ選手に敗れ、試合中にラケットを叩きつけてしまいました。

この試合で、ナオミ・大坂選手は本人選手として初めてグランドスラムのシングルスタイトルを獲得しました。

ノバク・ジョコビッチ(2021年7月31日)

ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)は2021年7月東京オリンピックのテニス男子3位決定戦で、ネットポストにラケットを打ちつけました。

対戦相手は、パブロ・カレーニョ・ブスタ選手(スペイン)。
実は、前日の準決勝でジョコビッチ選手は、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ選手(ドイツ)に敗れていました。

実はジョコビッチ選手はこの東京五輪で、同一シーズンに四大大会と五輪を制覇する「ゴールデンスラム」を狙っていました。
しかし、この前日での敗戦により、年間ゴールデンスラム達成の希望が消えてしまったことで、すでに冷静さを失っていたようです。

ジョコビッチ選手は、この東京大会の3位決定戦で敗れ、ラケットを空席のスタンドに放り投げたり、ネットポストにたたきつけたりしました。

また、ジョコビッチ選手はこの3位決定戦敗退後、同日出場予定だった混合ダブルス3位決定戦を肩の負傷により欠場しています。

錦織圭(2017年2月21日)

なんと錦織圭選手(日本)も、2017年2月のリオ・オープンの初戦でラケットをコートに叩きつけています。

この試合で、錦織選手はシングルス第1シードとして出場し、世界ランキング76位のトマシュ・ベルッシ選手(ブラジル)と対戦。しかし、4-6、3-6でストレート負けを喫しました。

錦織選手は、以前の対戦ではベルッシ選手にストレート勝ちしていましたが、この日は相手にストローク戦で主導権を握られ、第1セットでは第9ゲームをブレークされてセットを落としました。

第2セットでもミスが続き、巻き返すことができず、その結果、初戦敗退となってしまいました。
錦織選手にっとって、初戦の試合で敗れたのは、2015年に全米オープン初戦以来で、約1年半ぶりでした。

ジョン・マッケンロー(1984年6月)

ジョン・マッケンロー選手(アメリカ)が1984年全仏オープンの男子シングルス決勝ラケットを足でへし折ろうとする場面。

対戦相手は、イワン・レンドル選手(チェコスロバキア)でした。
この、男子シングルス決勝で、マッケンロー選手は、当時「無冠の帝王」と呼ばれていたイワン・レンドルと対戦し、6-3、6-2、4-6、5-7、5-7という結果で敗れます。

特に、この1984年はマッケンローにとって絶頂の年でした。
シーズン最高勝率を記録し、ウィンブルドンと全米オープンを制するなど、テニス界で圧倒的な強さを誇っていたのです。

しかし、フレンチオープンの決勝でレンドルに敗れたことで、その完璧だったシーズンに大きな影を落とすこととなったのでした。

マッケンローといえばこのなつかCM

歯ソーノーローにはマッケンロー!
当時の妻、テータム・オニールとの共演CM(1988年 佐藤製薬 歯磨き粉アセスのコマーシャル)

あのマッケンローがダジャレ!? 
本人はこのダジャレの意味は分かっていたのでしょうか。

なぜラケットを投げたり壊したりするのか?

プロのテニス選手がラケットを投げたり壊したりする瞬間には、どんな背景があるのでしょうか?

ここでは、選手たちがなぜラケットを壊してしまうような行動を取るのか、その理由を考察してみました。3つのポイントで掘り下げたいと思います。

競技の厳しさから生まれるプレッシャー

プロテニス選手たちは、毎日、身体を鍛え、技術を磨き、そして何よりもメンタルを強化しています。でも、どれだけ努力しても、試合で勝たなければ得られないものが多いんです。

ランキングが上がらなければ、賞金も増えないし、スポンサーもつかない。そうしたプレッシャーが日々積み重なって、選手たちは常にギリギリの状態で戦っているんですね。

溜まったストレスを発散するために

テニスは、試合ごとに勝敗がはっきりする競技。
そのため、選手たちは大きなストレスと戦っています。

特に、思うようにいかないときは、そのストレスが一気に爆発してしまうことも。
そんなとき、ラケットを投げたり壊したりするのは、一種のストレス発散なんです。
もちろん良くない行為ですが、それだけ選手たちが追い詰められている証でもあります。

本気で戦っている証としてのラケット破壊

ラケットを壊すこと自体は、確かに良いことではありません。
でも、そこには選手たちの真剣な思いが詰まっています。

悔しさや焦り、そして全力で取り組んできた結果が、あの瞬間に現れるんです。
冷静に考えればやってはいけないことと分かっていても、つい感情が先走ってしまう。
それほどまでに、彼らは真剣にテニスに向き合っているんですね。

最後に

プロテニス選手がラケットを投げたり壊したりする場面には、このようにさまざまな背景があります。

彼らは試合中のプレッシャーやストレスと戦いながら、自らの限界に挑んでいます。

ラケットを壊す行為は、そうした感情の爆発を示すものであり、選手たちの真剣さや内面的な葛藤の一部です。

選手たちの行動を単なるマイナス面として捉えず、その努力や情熱を理解することで、テニス観戦がさらに楽しくなるかもしれませんね。

コメント

  1. より:

    みっともないです。
    子供たちが見ています。
    ラケットは大切な道具です。
    1本数万円もします。

    卓球のラケットを叩きつけますか?
    剣道の竹刀を投げつけますか?
    フェンシングの剣を圧し折りますか?
    ゴルフのラケットを叩きつけますか?
    ボクサーがグローブを叩きつけますが?
    4年に1度のオリンピックの選手たちを見てください。
    皆極度の緊張下で競技をしています。

    どのスポーツもトップ選手ならずとも、フラストレーション、ストレスは我々の想像を超えているでしょう。
    でも、うまくいかないのは道具のせいではありません。
    モノを破壊するのではなく精神を鍛えてください。
    心技体です。

    モノの破壊を擁護するのではなく、どうか心を鍛える方に着目してください。
    テニスのみならずスポーツを愛する子供たちの将来にとって良いことではありません。
    私はそう思います。

    • May May より:

      心さま
      おっしゃる通りですね。
      「うまくいかないのは道具のせいではない」
      本当にその通りだと思います。

      自分の体の一部ともいえるラケット。いわば手や腕のようなものです。
      それを怒りとくやしさに任せて大勢の観衆が見ている中で叩き壊す・・・・。
      子供たちの教育に良くないという心さまのお考え、その通りだと感じています。

      私自身、何かを最後までやり遂げたことがなく、途中で挫折ばかりの人生です。
      何でも中途半端。運動など特に続いた試しがありません。
      彼らトップアスリート達がどれけ練習を重ねてきたか、
      どれだけ自分の精神をコントロールしてきたか。
      私のような人間には想像すらできません。

      彼らの輝かしいキャリアの陰にある、努力と鍛錬の日々。
      私が彼らに抱く尊敬の意は、ラケットを叩き割ったとしても消えず、
      むしろそこまで彼らを追い込んだものは何だったのだろうと思うようになりました。

      「本当に苦しいときにその人の本性が現れる」
      私も未来の子供たちにとって恥ずかしくない人間でありたいと、考えさせられました。

      私の記事により、心さまを傷つけてしまい申し訳ありませんでした。
      貴重なコメントをお寄せくださりありがとうございました。

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