9月16日(月)夜7時から放送される「帰れマンデー見っけ隊!!3時間SP」では、富山県の立山黒部アルペンルートが大特集されます!
今回の「帰れマンデー見っけ隊」は、感動の虹色大迫力放水や、普段は立ち入ることのできない非公開エリアへの特別旅に挑戦するとのこと。
この記事では、その非公開エリアの一つである黒部ダムの「ケミカルトンネル」内部の様子を画像とともにご紹介します。
旅のゴールとして取り上げられるケミカルトンネルは、黒部第四ダム(通称:くろよん)の重要な部分で、「世紀の大工事」とも称される歴史的な価値を持っています。
どのような工事が行われたのか、そしてその歴史的背景が気になる方も多いでしょう。今回は、黒部ダムケミカルトンネルの魅力とその重要性について、詳しくご紹介します。
「ケミカルトンネル」は黒部第四ダム
立山黒部アルペンルートの旅のゴールはの「ケミカルトンネル」とは、黒部第四ダム(通称:くろよん)のことで、黒部ダム建設時に重要な役割を果たした関電トンネルのことです。
ここでは、ダムの安全性を確認するための重要なロックテストが行われました。このロックテストは、岩盤の強度を調べる実験で、ダムの構造が安全であることを証明しました。
「ケミカルトンネル」の名前の由来は、コンクリートを打設する際に使われる薬品の試験が行われたことから来ています。普段は非公開のエリアですが、特別なツアーやイベントで見学できることもあります。
ケミカルトンネル(関電トンネル)の内部の様子は?
(出典:乗りものニュース)
黒部ダムの「ケミカルトンネル」は、建設時の重要なエリアであり、現在は非公開エリアとして知られています。
黒部ルートの特徴
「黒部ルート」は、黒部峡谷と黒部ダムを結ぶ観光ルートです。このルートはもともと関西電力が工事用に整備していたもので、安全対策工事が施され、観光客向けに改良されました。
(出典:乗りものニュース)
位置とアクセス:
- 区間: 黒部峡谷の欅平から黒部ダムまでの約18km。
- 乗り物: 竪坑エレベーター、バッテリートロッコ、インクライン(地下ケーブルカー)など、多彩な乗り物を利用して移動します。
見どころ:
- 自然景観: 黒部峡谷の壮大な景観や、黒部ダムの迫力ある放水を間近で体感できます。
- 体験: 黒部峡谷鉄道のトロッコ電車や、地下深くまで降りる竪坑エレベーター、急斜面を移動するインクラインなど、多彩な移動体験が楽しめます。
黒部ダム見学会の概要
以前は「黒部ルート見学会」として、関西電力主催の特別なツアーが行われていました。この見学会では、以下の体験が可能でした。
- トロッコ電車: 黒部峡谷鉄道の終点である欅平から黒部ダムまでの移動。
- 竪坑エレベーター: 垂直に移動するエレベーターで地下深くまで降りる体験。
- インクライン(ケーブルカー): 急斜面を移動するケーブルカーで、ダムへのアクセスを楽しむ。
- 専用地下道バス: 地下トンネルを通るバスで、黒部ダムまでの道のりを進む。
(出典:乗りものニュース)
この見学会は、黒部ダムの建設や運営に関する歴史や技術を学ぶ教育的なツアーでもありました。
なお、2023年8月27日をもって「黒部ルート見学会」は終了し、2024年からは「黒部宇奈月キャニオンルート」として新たに販売が開始が予定されていましたが、令和6年能登半島地震による落石で黒部峡谷鉄道の鐘釣橋が損傷したため、令和7年以降への延期が決まったようです。(参考:https://canyon-route.jp/about/)
ケミカルトンネル(関電トンネル)の構造
扇沢駅と黒部ダム駅を結ぶ関電トンネル(出典:関西電力)
1. 岩盤調査
トンネル内では、ダムの基礎となる岩盤の強度や性質を調査するための試験が行われ、ダムの安全性が確保されました。
2. 薬品試験
ケミカルトンネルの名前の由来となった薬品試験は、コンクリートの品質を向上させるための薬品の効果を確認するために行われました。
3. 工事の進行
トンネルは工事資材の運搬や作業員の移動に使われ、工事の効率化に貢献しました。
トンネルは非常に堅固な岩盤を貫通しており、長さは数キロメートルに及びます。当時の最新技術で掘削され、その技術力は現在でも高く評価されています。
黒部ダムの多彩な役割
黒部ダムは単なる観光地にとどまらず、多くの重要な役割を果たしています
1. 水力発電
日本最大級の水力発電所として、関西電力の電力供給に大きく貢献しています。再生可能エネルギーとして環境にも優しいです。
2. 洪水調整
大雨や台風時には、下流地域の洪水被害を軽減するために水を貯めたり放流したりします。
3. 水資源管理
農業用水や工業用水の供給源として、地域の農業や産業を支えています。
4. 観光
壮大な景観や迫力ある放水で、多くの観光客を魅了し、地域経済にも貢献しています。
5. 歴史的価値
日本の土木技術の発展を象徴する黒部ダムの建設過程は、多くの困難を乗り越えた技術者たちの努力の結晶です。
黒部ダムの建設は、日本の土木技術の象徴であると同時に、その過酷な環境での作業が多くの犠牲を伴った壮絶なプロジェクトでした。ここでは、その歴史的背景と献身的な努力についてご紹介します。
黒部ダムの建設とその犠牲
黒部ダムの建設は、日本の土木技術の頂点を示す壮大なプロジェクトであり、その過酷さと数多くの犠牲を伴いました。ここでは、その建設過程と犠牲者への追悼についてお伝えします。
過酷な建設作業
黒部ダムの「ケミカルトンネル」は、1950年代から60年代にかけて行われた非常に過酷な工事の象徴です。その工事現場は、まさに極限の環境での作業が強いられていました。
高温の中での掘削作業
ケミカルトンネルの建設中、岩盤の温度は160度以上に達しました。この高温地帯では、トンネルの掘削作業が行われ、岩盤から放出される熱に対抗するため、トロッコの機関車や客車、貨車は耐熱構造で作られていました。
極限の作業環境
高温に加え、作業環境はさらなる過酷さを伴いました。以下のような状況が、ケミカルトンネルの建設現場を特異なものにしていました。
- 水をかけ続ける作業
あまりの暑さに最前線の作業員には後ろから水をかけ続ける役割の人がついていました。その水をかける役の人にもさらに水をかける人が必要とされるほど、熱の中での作業は過酷を極めました。
- 自然発火の危険ダイナマイトが自然発火して暴発するなど、爆発の危険も伴いました。高温と火薬の組み合わせは、非常にリスクの高い作業環境を生み出しました。
- 雪崩の直撃冬季には雪崩による事故も発生しました。作業員宿舎が数百メートル吹っ飛ばされるという、自然災害による大規模な被害が報告されています。
多くの犠牲者とその努力
犠牲者数
黒部ダムの建設中には、171名の作業員が殉職しました。彼らの努力と献身がなければ、現在の黒部ダムの完成はありえませんでした。
殉職者への追悼
黒部ダムには、建設中に殉職した作業員を追悼するための「殉職者慰霊碑」が設置されています。この慰霊碑は、ダムの右岸に位置しており、訪れる人々は深い感謝と敬意を示しています。
殉職者慰霊碑(出典:360navi.com)
黒部ダムの観光スポット
1. 黒部ダムカレー
ダムの形を模したカレーが名物で、観光客に人気です。黒部ダムレストハウスでいただくことできます。
黒部ダムカレー(出典:大町市観光協会HP)
黒部ダムカレーの特徴
- ご飯がダムの堰堤を模して盛り付けられています。
- カレーのルーが堰堤の外側に流し込まれ、放水をイメージしています。
- 野菜やカツなどが観光遊覧船や周囲の景観を再現しています。
2. 観光放水
毎秒10トン以上の水が放水され、その迫力ある光景は圧巻。晴れた日には虹がかかることもあります。
6月下旬~10月中旬まで。運が良ければ、放水にかかるきれいな虹を見ることができます。
3. ダム展望台
標高1,508メートルから見る立山連峰や北アルプスのパノラマビューは絶景です。
4. レインボーテラス
放水の迫力を間近で体感できる展望スポット。特に晴れた日に虹がかかる美しさで、「レインボーテラス」と呼ばれています。
「ダム展望台」と「レインボーテラス」
黒部ダムはその壮大な景観と圧倒的なスケールで知られており、訪れる人々を魅了しています。中でも「ダム展望台」と「レインボーテラス」は、黒部ダムの魅力を最大限に楽しむための素晴らしいスポットです。それぞれの特徴をご紹介します。
ダム展望台
黒部ダムの一番高い場所にあるダム展望台(出典:360navi.com)
黒部ダムの上部に位置し、ダム全体とその周囲の美しい景色を一望できます。
- 絶景の眺め: 黒部湖、赤牛岳、立山連峰、白馬岳など、周囲の壮大な自然景観が広がります。また、晴れた日には黒部ダムの観光放水とともに虹を見ることもできます。
- 無料で見学可能: ダム展望台の見学は無料で、誰でも気軽に立ち寄ることができます。
- アクセス: 高い位置にあるため、扇沢から来た場合も大観峰方向から来た場合も、200段の階段を登る必要があります。この登りが展望台への道のりを特別なものにしています。
レインボーテラス
(出典:じゃらんnet)
黒部ダムの下流側にあり、運が良いと放水によって生じる虹を見ることができるスポットです。
- 虹の美しさ: 放水時に水しぶきが太陽光に反射して虹が現れるため、「レインボーテラス」と呼ばれています。特に午前中には大きな2本の虹がかかることが多いので、この時間帯がオススメです。
- 新展望広場: 2003年6月にオープンした新展望広場の一部で、2016年にはその下に新たにレインボーテラスが造られました。
- 迫力の体験: ダムの放水や河床にさらに近い位置まで接近できるため、ダム自体が迫ってくるかのような迫力を間近で体感できます。
- ダム建設の歴史: 広場内には、黒部ダム建設の歴史を学ぶことができる特設会場もあります。
黒部ダムの観光放水
黒部ダムの観光放水は、毎年6月26日から10月15日までの期間中に行われる人気のイベントです。この期間、黒部ダムから毎秒10トン以上の水が放水され、その壮大な光景が多くの観光客を魅了しています。
観光放水の詳細
期間
- 6月26日~7月31日: 6:00 ~ 17:30
- 8月1日~9月10日: 6:30 ~ 17:00
- 9月11日~10月15日: 7:00 ~ 16:30
見どころ
放水時には、霧状の水しぶきが太陽光に反射し、幻想的な虹が現れることがあります。特に「レインボーテラス」からの眺めは、迫力の放水と美しい虹の両方を楽しめるスポットとして人気です。
観光放水の目的
観光放水の主な目的は、黒部峡谷の景観を維持することです。
ダムの機能を維持しつつ、その圧倒的な迫力と美しさを観光客に楽しんでもらうために行われています。このイベントは、自然の美しさと人間の技術の融合を感じられる貴重な体験となるでしょう。
ゆるキャラ「くろにょん」
黒部ダムのマスコットキャラクター「くろにょん」は、ダムに住む可愛らしいキャラクターです。工事に憧れており、いつもヘルメットをかぶり、シャベルを持っています。頭の後ろにはハートマークがあり、これが彼のチャームポイントです。くろにょんは、黒部ダムの象徴として親しまれています。
黒部ダムのマスコットキャラクター「くろにょん」(出典:kurobe-dam)
まとめ
9月16日(月)19:00 放送「帰れマンデー見っけ隊!!」立山黒部アルペンルートの旅のゴール「ケミカルトンネルは、黒部ダム建設時に重要な役割を果たした関電トンネルのことで、黒部第四ダム(通称:くろよん)と呼ばれています。
黒部ダムの「ケミカルトンネル」は、1950年代から60年代にかけて行われた非常に過酷な工事の象徴です。その工事現場は、まさに極限の環境での作業が強いられていました。
岩盤の温度が160度以上に達するという高温の中での掘削作業は過酷を極めました。冬には雪崩による事故も発生しました。このような過酷な状況下で、171名の作業員が命を落としました。
黒部ダムの建設は、単なる土木工事にとどまらず、多くの人々の命と努力が積み重なった「世紀の大工事」と呼ばれるにふさわしいプロジェクトでした。
黒部ダムの「ケミカルトンネル」は、建設時の重要なエリアであり、通常は非公開エリアとなっています。今回の帰れマンデー見っけ隊ではその非公開エリアに潜入するとのことで、どのような映像を見ることができるか、当日の放送が楽しみですね。
今回は、ケミカルトンネル(関電トンネル)についてお伝えしました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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