山口 尚秀(やまぐち なおひで)選手は、東京パラリンピックの100m平泳ぎで金メダルを獲得し、パリ2024パラリンピックでの2連覇が期待されている注目の選手です。幼少期に知的障がいを伴う自閉症と診断されながらも、水泳の世界で輝き続けています。
(出典:集英社オンライン)
今回は、パラリンピック競泳選手の山口尚秀選手にスポットを当て、彼の身長などプロフィールや生い立ち、そして知的障害を持つ彼を愛情でサポートするご家族のエピソードをご紹介します。
山口尚秀選手の身長・足の大きさ・体重は?
(出典:NHK)
山口尚秀選手の身長と足の大きさ
山口尚秀選手の身長は187cmです。
さらに足の大きさは30cmもあります。
187cmの身長のメリット
この長身は、競泳において大きなアドバンテージをもたらします。
長身選手は水中での抵抗が少なく、効率的に泳ぐことができます。特に背泳ぎや平泳ぎでは、長い腕と足が水を効果的にかき分けるため、スイング効果が増し、泳ぎの推進力が向上します。
また、長い脚はスタートやターン時にプールの壁に近づきやすく、強力なプッシュオフを可能にします。長身は浮力を保ちやすく、疲労しにくいという利点もあります。
30cmの足の大きさのメリット
山口選手の足の大きさはなんと30cmです。この特異な足のサイズも、彼の泳ぎに有利に働いています。大きな足は水の抵抗を減少させ、効率的に水をかくため、よりスムーズな泳ぎを実現します。
山口尚秀選手の体重
山口尚秀選手の体重は85kgです。水泳選手にとってはやや重い部類に入りますが、彼の身長(187cm)や体格に見合った体重であり、肩甲骨まわりの柔軟性を生かした泳ぎに強みを持っています。体重が若干重いとしても、山口選手の泳ぎのテクニックや体力は素晴らしく、実績に繋がっています。
最近は栄養管理にも気を配るようになり、大好物の炭酸飲料や揚げ物を控えるようにしているんだって
生まれたときから大きかった
父の峰松さんと1歳の山口尚秀選手(毎日新聞)
山口尚秀選手は、出生時に3800グラムを超える体重を持ち、同世代の子供たちの中でも一際大柄でした。この大柄な体格は、成長する過程で水泳競技において大きなアドバンテージとなりましたが、同時に家族には様々な困難も伴いました。
幼少期の両親の配慮
山口選手は3歳の時に知的障害を伴う自閉症と診断されました。他人との協調性を保つことが難しく、また体が大きかったため、ご両親は力加減が分からずに他の子供たちにケガをさせることを心配して、特別な配慮をしていました。
例えば、夕暮れの公園で人けがない時間に遊ばせたり、時には車で市外に連れ出して安心して過ごせる環境を整えたりすることで、山口選手の成長をサポートしました。
山口選手は家族の愛情をたっぷりもらって見守られて育ってきたのね
山口尚秀選手の名前の由来は?
山口尚秀選手の名前「尚秀」には、特別な由来があります!
山口選手が生まれた2000年に、シドニーオリンピックで女子マラソンの金メダルを獲得した高橋尚子さんの「尚」と、日本プロ野球界でスーパースターとなっていた松井秀喜さんの「秀」を組み合わせて名付けられました。
東京パラリンピックで金メダルをとったアスリートにぴったりの名前だね
山口尚秀選手のwiki風プロフィール
https://paraspoplus.com/sports/14429/
山口尚秀選・基本情報
名前 | 山口 尚秀(やまぐち なおひで) |
生年月日 | 2000年10月28日(23歳、2024年8月現在) |
出身地 | 愛媛県今治市 |
出身校 | 特別支援学校卒業(小学校から高校まで) |
種目 | 水泳(SB14/S14/SM14) |
障害 | 3歳の時に自閉症と診断 |
所属 | 四国ガス |
母親の由美さんによると、山口選手はもともとこだわりが強くて、他の人とコミュニケーションをとるのが苦手でした。
そのため、地元の学校ではなく、一人一人の特性に合わせた支援が受けられる特別支援学校を選んだのだそうです。
山口尚秀選手の家族構成
(左から)
母、山口尚秀選手、祖父、祖母、父、姉
(出典:スポニチ)
山口尚秀選手の家族構成
父:峰松さん
母:由美さん
姉・智子さん
祖父:美佐雄さん
祖母:公さん
山口選手のお母さんとお父さんも高身長だね!
お姉さんの智子さんも170cmはありそう
山口選手のご家族はみんな身長高いんだね!
山口尚秀選手・趣味など
趣味 | 映画鑑賞 |
休日の過ごし方 | ジョギング、読書、瞑想 |
好きな食べ物 | ハンバーガー、フライドポテト、つけ麵 |
好きな言葉 | やればできる、YES WE CAN. |
YouTubeを見るのも好きなんだって!
パラリンピックに向けて揚げ物は控えめにしているそうよ
パリ2024パラリンピックが終わったらたくさん揚げ物を食べられるといいね
山口尚秀選手が水泳を始めたきっかけと祖父の死
祖父と過ごした水の時間
山口尚秀選手と水泳との出合いは1歳の時でした。同居する祖父母と通っていた健康施設で泳ぎ始めたのがきっかけです。
祖のの美佐雄さんは「この子はいい子やけん」といつも山口選手を支えてくれました。
祖父母は、教師として共働きで忙しい両親に代わって、山口選手をプールに連れて行き、スイミングスクールへ通わせるきっかけを作ってくれました。
祖父の死とコロナ禍の影響
残念ながら、その祖父が2020年10月に亡くなりました。
また、コロナ禍で大会が1年延期され、試合や合宿も中止になり、山口尚秀選手はふさぎ込みがちになってしまいました。
練習が続けられず、気持ちが沈んでいた時期が1か月ほど続きました。
コーチの一言が転機に
山口尚秀選手は「もう代表を辞めたいです」と、パラ競泳団体の担当者に電話をかけたこともありました。
自閉症の影響で、感情の制御やコミュニケーションが難しく、環境の変化に対応しづらい山口選手にとって、この時期は特に厳しいものでした。
しかし、地元・愛媛県今治市のコーチ、柿崎彰一さんの一言が転機となりました。「そんな態度で金メダルなんかとれるのか」という叱責に、山口選手はハッとし、翌日から真剣に練習に取り組むようになりました。
亡き祖父に捧げた金メダル
祖父の死とコロナ禍による不安を乗り越えた山口選手は、東京2020パラリンピックで男子100メートル平泳ぎの競技において、世界新記録で金メダルを獲得しました。
祖父の死とコロナ禍による不安を乗り越えての優勝!きっとおじいちゃんも天国で喜んだでしょうね
本格的に水泳を始める
スイミングスクールとの出会い
山口尚秀選手が小学4年生の時、母親の由美さんは彼にぴったりのスイミングスクールを見つけました。隣の市にできたばかりのこのスクールは、障がいのある子どもたちのためのクラスが新設されていました。
「尚秀は水遊びが大好きでしたし、水泳は全身を使うので、運動にも良いと思ったんです。コーチもとても優しく、尚秀もすぐに慕うようになりました」と由美さんは当時を振り返ります。
当時は、山口選手が世界を目指すアスリートになるとは考えていなかったそうで、週に1回のスイミングスクールでは、楽しく遊ぶことが主な目的でした。
転機と最初の挫折
高校1年生の秋、愛媛県代表として出場した全国障がい者スポーツ大会が山口選手の転機となりました。
高校1年生の秋、愛媛県代表として出場した全国障がい者スポーツ大会が山口選手の転機となりました。日本知的障害者選手権水泳競技大会で200m自由形に挑みましたが、最下位という結果に終わり、山口選手は落ち込みました。母親の由美さんはこう話します。
「レース中に泳ぐのをやめてしまい、帰ってから泣いてばかりでした。でも、中島啓智選手や東海林大選手の活躍を見て『もっと練習しないと』と思い、帰宅後に『頑張ってみる?』と聞いたら、『うん、やってみる』と答えました。この挫折が大きな転機となったんです。」
苦しい練習と初めての成功
その後、今治市のスイミングスクールに「選手コース」として受け入れてもらい、初めは苦しい練習に耐えるのが精一杯でした。
しかし、翌年の高校2年生の秋に出場したジャパンパラ競技大会で、山口選手は100m自由形で2位となり、銀メダルを獲得しました。この成功がきっかけで、日本国内の知的障がいクラスでトップスイマーとしての活躍の場を広げていきました。
山口選手は、障害者コースではなく、健常者と同じ「選手コース」での練習が実を結んで、数々の大会で素晴らしい成績を収めたんだね!
次に、それら山口選手の素晴らしい成績をみていきましょう。
山口尚秀選手の主な成績
2019年:世界パラ水泳選手権大会(イギリス)
- 100m平泳ぎ 1位 ※世界新記録(当時)
- 100m背泳ぎ 16位
- 200m個人メドレー 17位
- 100mバタフライ 8位
2022年:マデイラ2022WPS世界選手権大会(ポルトガル)
- 100m平泳ぎ 1位
2023年:マンチェスター2023世界選手権(イギリス)
- 100m平泳ぎ 1位
2023年:杭州2022アジアパラ競技大会(中国)
- 100m平泳ぎ 1位 ※大会新記録
- 100m背泳ぎ 1位 ※日本新記録・大会新記録
- 200m個人メドレー 1位 ※大会新記録
- 混合4×100mフリーリレー1位
(山口、木下、井上、中島)※アジア新記録・日本新記録・大会新記録
2021年:東京パラリンピック
- 100m平泳ぎ 金メダル ※世界新記録(当時)
- 100mバタフライ 4位
- 混合4×100m フリーリレー 4位
- 200m個人メドレー 予選敗退
2019年世界選手権で手を合わせる姿が話題に
感動のゴール直後の姿
2019年の世界選手権で、山口尚秀選手がゴールを切った直後の感動的なシーンが話題になりました。電光掲示板に表示された自分のトップでのゴールタイムを確認した山口選手は、
両手を合わせて「ありがとう!ありがとう!」と声を上げました。この姿は多くの観客の心を打ち、話題となりました。
2019年世界選手権ゴール直後手を合わせ感謝する山口選手の姿が話題に(Kan Para Press)
大記録と感謝の気持ち
「1分04秒95」というタイムで、知的障がいクラスの100m平泳ぎで世界初となる「1分5秒の壁」を破った山口選手。
自らの大記録を確認した後、彼が見せたのは歓喜のガッツポーズではなく、両手を合わせての「ありがとう」の言葉でした。
レース後、山口選手はその気持ちについてこう語っています。
「パラ競泳を作ってくれた人、そしてこの大会を支えてくれた関係者や審判に、心から感謝しています。」
その姿に多くの観客が感銘を受け、話題になりました。
山口選手が優勝したことはもちろん素晴らしいけど、ガッツポーズじゃなくて『ありがとう』という彼の心の美しさが感動的!
山口選手だけが持つ素敵な個性や優しさが現れた印象的な場面だったわね。
まとめ
今回は、パラリンピック競泳選手の山口尚秀選手にスポットを当て、彼のプロフィールや生い立ち、そして知的障害を持つ彼を愛情でサポートするご家族のエピソードをご紹介しました。
山口尚秀選手の身長は187cm、足の大きさは30センチです。
愛媛県今治市出身で、3歳の時に知的障害を伴う自閉症と診断されました。小学校から高校までは特別支援学校に通っていました。
山口選手の成長には、祖父母の支えが大きな役割を果たしました。水泳を始めた頃には毎日のようにプールに連れて行き、練習を見守り続けました。
主な競技成績としては、以下の通りです
- 東京パラリンピック
2020男子100m平泳ぎSB14で金メダルを獲得し、自身の世界記録を更新。 - 世界選手権
- 2019年ロンドン大会で男子100m平泳ぎSB14で金メダルを獲得。
- 2022年マデイラ大会でも男子100m平泳ぎSB14で金メダルを獲得し、大会新記録を樹立。
- 日本知的障害者選手権
2022年の大会で、200m平泳ぎで世界新記録を樹立し優勝。
山口尚秀選手のパリ2024パラリンピックでのさらなる活躍を心より応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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